クルドラ

BMW X5のおすすめグレードを比較して検証!ベストバイモデルはどれ!?

最終更新日 2021/10/9

20世紀終盤にきて北米市場を中心にじわじわと売上を伸ばしてきたSUVジャンルレクサスRXが大ヒットを飛ばすと、これまで門外漢を決め込んでいたジャーマン勢もついに動き出します。

その先手を打ってきたのがBMWでした。1999年デトロイトショー5シリーズのリソースを使い、デビューしたのが同社初のSUVX5」です。

引用:https://engagesportmode.com/

但し単にSUV人気に乗っかったと言われたくなかったのか、BMW曰くX5乗用車各シリーズが持つプロダクトコンセプトは不変で、そこにSUVユーティリティを融合。最低地上高を上げ、四駆性能を磨いてオフロードをこなしつつ、本来のオンロードでのスポーティさも失わない”SAV(スポーツアクティビティビークル)”と称した新ジャンルを謳うモデルです。

少しクドい気もしますが、そのコンセプトは多くの人々の心を掴み、北米を中心に好セールスを記録して後にポルシェカイエンアウディQ7などフォロワーを生み出します。

引用:http://www.autorealidade.com.br/

そんな独プレミアムブランドにおけるSUV路線の道を切り開いたX5は、昨年4代目へと進化を遂げています。

今回のクルドラでは、新世代へと移行したX5を実際に購入しようとした際、選ぶべきベストバイグレードは何かを徹底、比較検証していきますので、新車選びのご参考にどうぞ!

プレミアムSUVを開拓したX5はこんなクルマ

初代X5日本国内発売となったのはデビュー翌年の2000年10月から。ちなみに生産地北米サウスカロライナのスパータンバーグ工場なのでMADE in USAです。そのせいとは言えませんが北米大成功をおさめただけあって、車体は思い切りアメリカンサイズ。特に全幅は日本の道路事情で使い勝手に優れるとは言えませんが、そこに拘る人には2004年に弟分のX3を導入しカバーしています。

引用:https://www.caradvice.com.au/

2007年2代目は、オプションで3列シート7人乗りが設定され、クリーンディーゼル車Mモデルなども追加となる等、バリエーション拡大しました。2013年3代目は時流に乗り安全・運転支援装備が大きく進化し、加えてEV走行が可能なPHEV(プラグインハイブリッド)も初めて追加設定されました。

現行モデルとなる4代目2019年2月から国内販売がスタートします。スリーサイズホイールベースはさらに拡大し、全幅に至ってはついに2mを超えてきました。但し、サイズアップしながらも骨格高張力鋼板を多用して、強度を高めつつ先代モデルより軽量化されています。

引用:https://autoprove.net/

インテリア新世代表示操作システムBMWオペレーティングシステム7.0”を導入、音声コントロールジェスチャーコントロールでも装備操作が行えるようになっています。

安全装備はもちろん現時点実装可能なものはほとんど全部入りで、条件付きながら高速道路渋滞時での「ハンズオフ機能」も備わります。

X5の全グレードを徹底チェック

はじめにBMWグレード名称構成を簡単に説明すると以下のような感じです。

上記を踏まえ2020年12月時点でのX5ラインナップは、3種類パワーユニット5種類モデルを揃えます。ちなみにX52WDの設定はなく、すべて4WDです。

ディーゼルあり、PHEVあり、ガソリンありとエンジン種類を揃えますが、基本装備パワーユニットによって大きな差はないのが特徴です。
ディーゼルPHEVには「スタンダードグレードが用意されていて、それ以外のグレードとはデザイン面での意匠性メーカーオプション範囲に違いがあるので、そこは選択時に加味しておく必要があります。

SUVなら外せないディーゼルエンジングレード

ラインナップ価格帯で見ると一応、エントリーモデルにあたるのがxDrive35dとなります。スタンダードなら車両本体価格が何とか1千万円を切っています。

パワーユニット3.0ℓ直列6気筒DOHCツインパワーターボディーゼルエンジンで、このB57D30A型ユニットはX5の他、X6X7にも積まれるハイエンドモデル向けエンジンとなります。

引用:https://bruder.golfdigest.co.jp/

BMW6発はディーゼルでも間違いなし

トピックはディーゼルらしく620Nmを誇る最大トルクで、これはラインナップ上の上位グレードにあたるxDrive45e上回るスペックです。低回転から最大トルクを発生し、2トン超えヘビー級ボディを滑らかに加速させ、回転数を上げると6気筒エンジンの心地よいサウンドを響かせます。それでいて車内静粛性は高く保たれており、SAVらしい走りとラグジュアリー品格の絶妙なバランスを実現します。

なおxDrive35dツインパワーターボは、世に言うターボ2基付いたツイン・ターボではなく、あくまでシングルターボです。ターボチャージャー排気ガスによってタービンを回しますが、BMWツインパワーターボとは、可変バルブ機構を組み合わせたことで「直噴」と「可変」、2系統(ココがツインということ)の排気エネルギー導入回路が備わる構造のものを指します。

引用:https://www.autodeft.com/

基本装備充実のスタンダードは買い得か?

xDrive35dグレードでは「スタンダード」と「M Sport」の2種から好きなトリムラインを選べます。

現実的に国内販売においてスタンダード需要はかなり低いことが考えられます。登場して間もなく2年になろうかという時期ですが、中古車サイトスタンダード在庫車はヒットせず、掲載されているのはすべてM Sportでした。また、カタログ公式HPコンフィギュレーターを操作すると分かりますが、スタンダードボディカラー全9色中、ブラック1色しか設定がありません。海外では他のカラーも選べるのでしょうけど、日本ではこのグレード自体ニーズがないと考えているもよう。

ちなみにスタンダードM Sportを並べて比較すると以下のような感じです。

もちろんスタンダードでもエクステリアインテリアトリム意匠を除けばフル装備であり、快適装備等で無いものといえばヘッドアップディスプレイリヤシートヒーターくらいです(PHEVスタンダードにはヘッドアップディスプレイあり)。M Sport走行系機能においてタイヤ&アルミサスペンショントランスミッションブレーキ等がランクアップされることはありますが、スタンダードとの価格差98万円にもなります。

ボディカラーで希望されている方は、検討してみる価値はあるかも知れません。

もはやこちらがスタンダードなM Sport

M SportBMW定番スポーティトリムです。ほとんどのBMWモデルで設定があり、前後バンパーなどがスタイリッシュでモータースポーツスピリットあふれる専用パーツとなるため、他グレードとは雰囲気の違う高い人気デザインラインです。

X5では、張り出したフロントエプロンと大型のエアインテークを含むMエアロダイナミクスパッケージがもたらすスポーティな外観になり、専用デザインディフューザー付きグロスブラック仕上げリヤエプロンで引き締めます。足元は標準で20インチ大径アルミを履きますが、オプション21インチ22インチアルミ選択でき、ボディ同色になるホイールアーチと合せればよりスタイリッシュです。

もちろんM Sportはインテリアも特別で、専用ヴァーネスカレザーシートパドルシフト付きMスポーツステアリングMロゴ付きドアシルプレートなど外観に負けずスポーティ感満載となります。

引用:https://car.watch.impress.co.jp/

内外観のデザイン面だけでなく前項の通り走行系パーツ充実M Sportの強み。4代目X5SAVモデルとして初めて4輪アダプティブエアサスペンションを導入しています(45eのM Sportに標準35d M SportとM50iにはオプション)。このサスペンションは、各ホイールに設置されたセンサーが常に路面状況荷重を検知し、必要に応じて上下40mmの間でホイールごとの高さを各々自動調整します。重量物積載時悪路走行時などは、ドライバー自ら好みの高さにマニュアルで設定することもできます。

X5全車8速ATですが、M Sportのトランスミッションは”8速スポーツAT”になります。この機構は、極めて滑らかで精確ギヤシフト操作を実現。クロスレシオ(ギヤ比が近い状態)にすることでスポーティな加速を実現しながらも滑らかな変速が可能で、ギアの多段化により高速走行時のエンジン回転数を抑制して燃費向上にも貢献します。

引用:https://wansoku.com/

その他にも制動系にはMスポーツブレーキが奢られるなど、M Sport走行系機能充実は多岐に渡り、先のスポーティトリムによるドレスアップを併せるとスタンダードとの差額は十分納得のいくレベルと思われ、X5プレミアムな車格を考えればおすすめトリムはM Sportになるでしょう。

主役となるか?プラグインハイブリッド

2020年に入るとBMWを始め、ボルボメルセデスベンツなどかなり電動車(PHEV、マイルドHV等)導入速度が上がってきました。ハイブリッドでは先行していたものの、今や国産車EV化遅れが目立ち始めたほどです。

今度のPHEVは待望のストレート6採用

X5では2015年先代モデルPHEV初投入しましたが、現行4代目モデルにも2019年末にようやく xDrive45e追加発売となりました。

引用:http://autoworld.com.my/

そもそもPHEVとは、通常のハイブリッドシステム外部から充電可能大容量バッテリーを組み合わせたモデルのこと。先代モデル直4エンジンを搭載していたのに対して、現行型最新世代直6エンジンを搭載し、システムトータル最高出力394PSを実現。

先代比で2倍のEV走行が可能に

バッテリー容量先代モデルの26Ahから68Ahへと大きく増加し、一充電あたりのEV走行距離は先代比で倍以上となる約80kmを達成しています。これだけ走れば近距離の普段使いなら、ほぼEV走行で事足りるでしょう。

引用:https://ameblo.jp/bertonexm/

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理想は自宅充電システムがあることですが、昨今ようやく街で充電施設を見かける機会も増えてきており、役所など公共施設や大きなショッピングモール駐車場等でも充電可能です。

また、センターコンソールにはバッテリーコントロールスイッチが設置されていて、走行中バッテリー充電を行いたい場合には、スイッチひとつで設定した充電量に達するまでエンジン駆動のみ走行することも可能です。これなら自宅近所充電設備があるなしに縛られず「マイカー候補」に挙げられる気がします。

xDrive45eにはスポーツハイブリッドエレクトリックアダプティブという4つの設定からなるドライビングコントロール機能が用意されています。

引用:https://motor-fan.jp/

各モードはドライバーが任意に選択でき、エレクトリックモードでは最高速140km/hまでの範囲で純粋なEV走行を続けられるPHEVならではの大きなアドバンテージです。

他にもブルー基調のPHEVモデル専用メーターパネルにはeDriveのマークが入り、BMW eDrive状態やバッテリーの充電レベル、平均的な電力消費量EV走行距離などの情報がわかりやすく表示されます。

PHEV化による制約は二点あり

xDrive45eデザイントリムxDrive35d同様に、スタンダードM Sport二つが用意されていますから好みのモデル選択可能です。ちなみにPHEVだけにある違いは、上記専用デザインメーターパネル走行モードを切り替えるeDriveボタンがある点。エクステリアでは当然、左フェンダーパネルバッテリー充電口があります。

引用:https://www.webcg.net/

メリットの多いPHEVですが、ネガティブポイント二点あり、リヤラゲージルーム走行用バッテリーを積む関係から容量他モデルより150ℓ少ない500ℓになるところ。さらにメーカーオプション3列目シート選択ができないのは、惜しいと感じる方も多いかも知れません。

ツインターボで武装したMパフォーマンスモデル

今更と感じる方もいるでしょうが、BMW社名”の由来はドイツ語で“バイエルン州のエンジン工場”を意味する「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke GmbH)」の頭文字を取ったものです。会社の起源がドイツのバイエルン州にあること、BMWが当初さまざまな用途に使われるエンジンを扱っていたことを示しています。そう、BMWは元をたどれば生粋のエンジン屋だったわけです。

その伝統エンジンサプライヤーとしての矜持を今、最も感じさせるユニットxDrive45eと同じタイミングで追加されたもうひとつのグレード搭載されています。それがX5カタログモデルのトップエンドになるM50iです。

大パワーでもシルキー6の伝統を受け継ぐV8

何と言ってもこのグレードトピックはその心臓部となる4.4ℓV型8気筒DOHCツインターボガソリンエンジン。ひと足先にデビューしているBMWのフラッグシップモデル”8シリーズ”に先行して搭載されているユニット同一です。こちらのターボxDrive35dツインパワーと違い、2基ターボチャージャーを備える文字通りのツインターボ。最高出力530PS、最大トルク750Nmというド級のパワーから、荒々しいイメージを受けますが各種媒体試乗記では、フレキシブルでウルトラスムーズとの評価です。

引用:https://www.webcg.net/

かつてBMW直列6気筒エンジンを称して”シルキー6”と呼ばれることがありましたが、V型8気筒でもその性格は不変のようです。さて、グレード名称他のグレードと明確に違うのはM50iMパフォーマンスモデルとなるからです。

M“モデル群はBMWスポーツの代名詞

BMWの”M”とはBMW研究開発などを担当するグループ会社BMW M GmbHから生み出されたモデル群を指します。カタログモデルM8M3などと呼ばれる「M数字一桁(SUVX数字一桁M)」のMモデルは、レーストラックの走行なども見据えた別格高性能マシン(本稿では取り上げていません)。それに次いでM550iM340iとしたグレード名称からなるMパフォーマンスモデルがあり、こちらはサーキットでの限界走行などを前提としない一般ユーザー向けチューニングされたモデルとなっています。

さらにこれらMシリーズエッセンスが投入されているのが、BMW全モデルに設定のあるM Sportグレードとなります。エンジン自体通常モデル同様ながら、サスブレーキをライトチューン。またエクステリアインテリアMモデルをインスパイアした専用パーツが奢られているのも特徴。ざっとMモデルラインを取りまとめるとそんな感じです。

専用のディテールと装備も備えたM50i

M50iエクステリアは基本M Sportに準拠するものの、大型エアインテークキドニーグリルドアミラー等が専用セリウムグレー仕上げになり、足元21インチ大径アルミホイールとなるのが識別点。メーカーオプション22インチサイズタイヤ&アルミ選択も可能です。エキゾーストテールパイプセリウムグレー台形型になり、M3色ストライプを組み合わせたグレードロゴと共にリヤビューを引き締めます。

引用:https://slashgear.jp/

インテリアM Sport仕立てですが、ストライプブラウン・ファインウッドトリムランバーサポート付きのスポーツシートが特徴です。

走行系の機能は新たに改良を加えたアダプティブ Mサスペンション専用にチューニングされたバリアブルスポーツステアリング、標準装備のMスポーツブレーキなどは他のM Sportと同様ながら、M50iだけの装備としてM スポーツディファレンシャルが備わります。これはカーブする際などに駆動輪左右回転差を吸収する電子制御式ディファレンシャル・ギアですが、緻密な制御で駆動力の配分を行い、コーナーの続く峠道などでクルマの挙動を安定させると共にハンドリング向上させます。

引用:https://www.webcg.net/

おすすめはプラグインハイブリッドの45e

以上で現在販売されているX5全グレードをご紹介してきましたが、その中からもっともおすすめできるモデルは掲題の通り「xDrive45e M Sport」です。

トップレンジのMパフォーマンスモデルM50i”は、とにかく最上級グレードが欲しいという方は一択になるでしょうから、迷いのないところかと。
となると悩ましいのはトルクフル燃料代安価ディーゼルxDrive35dか、新登場したPHEVxDrive45eのどちらがいいのかになりますよね。

なぜPHEVの国産車は少ないのか

双方共にメリットがあり、どちらを選んでも問題ないというのが正直な感想ですが、今後のトレンドを踏まえるとやはりPHEV電動車xDrive45eおすすめします。

但し、これはX5というプレミアムモデルを買おうかという方ならぜひ、といったエクスキューズが付くかも知れません。というのは日本車PHEVが増えない要因の第一はやはり価格にあるのは間違いなく、プリウスエクリプスクロスなどのPHEVを見てもガソリン車ハイブリッドに比べると高額です。多少補助金でカバーされるでしょうが、それでも価格差は歴然です。

その価格差なら燃料代で取り返すのに何年かかる?となってしまいますよね。昨今はガソリン車でも全般に低燃費化が進んでいますから。

PHEVの値上げ率としては高くない?

xDrive35d45e価格差82万円になります。しかしながらX5はそもそも1千万円超えのクルマですから価格差は本体価格の7%程度です。今年爆売れしたトヨタRAV4PHEV同28%を超えますから、X5PHEV化に対して割とリーズナブルな追加フィーで済む感じです(無理くり??)。

引用:https://www.carsifu.my/

まだまだ対岸の火事的に受け取りがちですが、日本でも2030年代を目途に純エンジン車販売停止に持って行くような話題が上がっています。今後の電動化プロセスはさらに加速していくのは間違いなく、これからのクルマ選びにおいてはその流れを踏まえていく必要もあるでしょう。

今だけの”駆けぬける歓び”、、、なら

ん、、しかしそうなるとガソリンエンジンM50iX5MBMWらしく”駆けぬける歓び”を堪能できるのも「(の時代)しかない」、となればむしろそちらがおすすめなのか?うーむ、悩ましいですね。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

以上、BMW X5のおすすめグレードをご紹介致しました。

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