後悔しないために確認しておきたいクラウンの不満点5つ+α
最終更新日 2021/10/21
日本の高級車、というより乗用車の草分け的存在と言えるトヨタクラウン。既に初代登場から66年、「いつかはクラウン」がキャッチコピーとなったテレビCMさえもう40年近く前の話ですが、未だにクラウンはトヨタ乗用車ヒエラルキーのトップに立ちます。
価値観の多様化した現代ではグループ内に別ラインのレクサスモデルあり、ミニバンのアルファードありとトップの定義も様変わりしていますが、クラウンほどの歴史を紡いだモデルは他にありません。
令和の現在においてもクラウンは健在で、現行型は2018年デビューの15代目モデルになります。
引用:https://www.webcartop.jp/
本稿では現行クラウンを実際に所有した方や、体感した方の様々な口コミ情報を徹底チェック。日本車の歴史を体現してきたクラウンに見え隠れするマイナスポイントを洗い出し検証していきますので、ぜひ新車購入時等の参考にしてください!
目次(タップで飛べます)
最新クラウンのプロフィール
現行クラウンは冒頭のとおり、国産車としては他に類を見ない15代目を数えるモデルが販売中です。
長いクラウンの歴史の中では9代目の全車3ナンバー化、10代目の全車フルモノコック化、11代目のピラードハードトップ廃止など様々変化がありました。中でも12代目の通称ゼロ・クラウンと呼ばれるモデルは最もエポックメイキングな存在で、プラットフォーム、エンジン、サスペンションといった主要コンポーネントすべてを一気に刷新してきました。
その後ゼロ・クラウンベースの車体は14代目までキャリーオーバーされましたが、2018年登場の15代目クラウンはトヨタの最新アーキテクチャー「TNGA」に基づくGA-Lプラットフォームを採用し、再び大きなアップグレードを果たしたのです。
先代から売れセンは”アスリート”と呼ばれるスポーティなグレードの比率が高まっていましたが、新型はそこを受けてかクラウン初の6ライトでクーペライクなフォルムをまとい、姿形だけでなく実際にニュルブルクリンクで走行性能を鍛え上げたのも話題に。従来のクラウンの枠では考えられない「走る・曲がる・止まる」といった車両性能を大きく進化させました。
引用:https://www.webcg.net/
もちろんそれ以外にもトヨタブランド初のマルチステージハイブリッドシステム(3.5V6モデル)や先進安全装備は最新の”Toyota Safety Sense”を備えた他、車載通信機DCMを全車に標準搭載し、初代コネクティッドカーとしてトヨタラインナップの先陣を切っています。
クラウンの不満点を確認
セダン不振が叫ばれる中、トヨタ販売網の強さはさて置いても堅調な実績を刻んでいるクラウン。これまでは高い信頼性や耐久性などを背景として、公用車やタクシー、パトカーなどのニーズも多かったものの、現行モデルはトヨタの思惑どおりかオーナードライバーが多数を占めています。その分、口コミのボリュームも他のセダンに比べても多めで、それらをチェックしていくといくつか各オーナーさん共通の傾向も見られます。
本稿ではネガティブな意見の多いものについてご紹介していきます。
①インテリアの質感はイマイチ?
高級車、上級車の定義が広がりつつある今、以前ほどクラウンがことさら特別な高級車として扱われる場面も減っている気もしますが、それでもトヨタラインの頂点の一つであることは間違いありません。
それだけに期待値のハードルが高いものになるのはやむを得ないところで、口コミには以下のようなコメントが目立ちました。
「内装がシンプルというか、それほど高級感は感じられない。前所有のマークXのインパネ周り造形が気に入っていたので、それよりは良くして欲しかったが似たようなレベル」
引用:https://www.autocar.jp/
「どのグレードでも至る所でコストカットしているように見える。特に内装のドア周り、ステアリング、フロントダッシュボード辺りは残念で、ステアリングスイッチはカローラなどと共通の何の飾り気もない質素なもの。触れる機会も多い部分だし、ここはやはりクラウンらしくコストを掛けてもらいたい箇所」
「スイッチ系の質感がイマイチ。オーディオボリュームの丸い回転式ダイヤルは薄い樹脂にメッキ処理。操作するとその質感にがっかり。600万円支払うのにこうした内装の質感はいただけない」
「グレード間での内装の質感に落差が目立つようになった。昔は『クラウンはクラウン』という不文律があったように思う。特にドアを閉めた時の音とドリンクホルダーのデザインにそれを感じる」
「値段が高い割に車内の天井など安っぽい部分有り。後席の装備も標準状態だとCセグのクルマと変わらない。トランクにキックセンサー等の自動開閉機能はなく、イージークローサーしかない。ドア用のイージークローサーについてもRSだとオプション設定さえできない」
引用:https://www.webcartop.jp/
古い豪華さからシンプルな上質さを目指したが
上記のような評価は特に伝統のあるモデルには付いて回るところでしょうか。15代目クラウンのインテリアは”シンプル”が一つの開発ポイントになっていて、従来の豪華絢爛な感じだとか木目パネルを多用だとかは”古い価値観”としてあえて敬遠されています。さらに時代の要請から新しいデバイスやガジェットが多くなり、それらを上質にインテリアへ落とし込むことに苦心の跡が見て取れます。
指摘の中にあったスイッチの質感は、薄くシャープに見えるようあえて意図された造形です。それでも丸型のオーディオダイヤルは2020年の改良時に変更を受けましたけどね。
質感の話しとは異なりますが、口コミにあったハンズフリーの電動開閉式トランクがないのは、確かにクラウンだけに意外な気もします。
②直4エンジンはクラウンの主役となったか
かつては直列6気筒エンジンがクラウンの代名詞でしたが、その後ゼロ・クラウンからはV型6気筒となり、先代14代目からは直4エンジンも投入されるなどパワーユニットのバリエーションも変遷してきました。
最新モデルでは6気筒よりも4気筒が主力といえる構成になっていますが、そのエンジンに関しては以下のような口コミがあります。
「V6はわからないが、4発はエンジンのフィーリングがあまりにも効率性重視で、高級感や上質感が感じられない。特に回した時のエンジン音が個人的にも好きではなく、メーカーの目指したスポーティを感じることはできない」
引用:https://golfdigest-play.jp/
「2.5ℓハイブリッドのエンジンは4気筒なので、3.5ℓV6と比べると加速時のエンジン音が安っぽい。3.5ℓが欲しかったが、生活上4WDが必要なため設定のある2.5ℓを選ばざるを得なかった」
「前車のカムリ・ハイブリッドよりも低速走行時のモーター音、”キーン”という音が強めに聞こえる気がする」
「クラウン=”静かな車”という先入観のもと乗ったせいかもしれないが、たいして静かではなかった。というかマイカーの先代210系のほうが明らかに静か。それにしてもどう調整したところで4気筒は4気筒。昔からのユーザーにはクラウンから4発のエンジン音が聞こえてくるのは残念」
今や4気筒+ハイブリッドが販売の中心に
クラウン2.5ℓハイブリッドのエンジンはカムリ用のものを縦型へとリファインして搭載、2.0ℓターボは先代からのキャリーオーバーです。
引用:https://www.rockbode.jp/
口コミを見る限りエンジン音が気になる件は、相対的な話しが多くクラウン単体で見ればそこまで気になる話しではないともとれます。但し、クラウンも現在の販売の中心は2.5ℓのハイブリッドなので、絶対的には静かであっても例えばEV走行から突如エンジンが始動したときの落差などによって余計そう感じてしまうかも知れませんね。
また引き換えに3.5ℓV6ハイブリッドはすこぶる評価が高いコメントが目立ちましたが、こちらはやはり価格が1200万円スタートになるレクサスLS500hと同一ユニットだけに水準がひとつ違うことはあるでしょうか。
③クラウンのスポーティ路線転向は成功か
ニュルブルクリンクで鍛え上げたことが喧伝されていた印象がある現行クラウンですから、その走りのパフォーマンスは誰しも期待を寄せてしまうところ。前項のパワーユニットに絡み走行フィーリングに関して以下のような口コミも。
引用:https://motorz.jp/
「発売当初雑誌のインプレなどを読む限り、2.0ℓ直噴ターボの走りが軽快でイイ、との評価が多く期待していた。ところがディーラーで試乗してみると思ったより、スロットルレスポンスが良くなかった。その点ではハイブリッドモデルの方が上手だったので、結局2.5ℓHVにした」
「国産高級車としては世界レベルに近づいたと思えるけど、あのアクセルレスポンスだけはズッコケレベル。クルマの方向性を考えれば、別にそこまでスポーティである必要はないけど、そこを割り引いてもあれは強烈なネガ要素。感覚的な話だけどクルマにドライバーの意思が伝わらない、とういかかなり寂しいものだった」
「2.5のハイブリッドに試乗したが、課題はアクセルレスポンス。踏み込んでもスカスカで何も起こらず、パワーの出力にかなりのタイムラグがある。営業マンに言わせると”ハイブリッド特有のクセ”らしいけど、評論家諸氏の高評価はちょっとマユツバのような気もする」
サーキットにも姿を見せたクラウンRS
引用:https://www.as-web.jp/
上記も2.0ℓと2.5ℓハイブリッドの直4に関する口コミです。こうした評価が出てくるのもクラウンがドライバーズカーとして、広く周知が進んでいるからでしょう。特に2000年代に復活した「アスリート」というグレード名称はクラウンの”走りのイメージリーダー”でしたが、現行型ではそれを「RS」に改めさらに深化させようとしています。
それだけにアクセルレスポンスといった走りの評価軸に、これまで以上に厳しい視線が注がれているわけです。
そういえば昨年9月には富士スピードウェイで開催された「NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」に埼玉トヨペットチームから”GBクラウンRS“が参戦し、いきなりクラス優勝を果たしましたね。走りのクラウンへイメージアップにつながるでしょう。
④チャレンジングなデザインへの評価は?
長い間クラウンはフォーマルな使われ方がメインになってきましたが、最近ではアルファードなど高級ミニバンがそのジャンルへ進出する割合も増え、必然クラウンはパーソナルなニーズにも対応する戦略が必要となります。最新の15代目モデルでは、企画段階からデザインもできるだけスポーティに振ることが前提とされていました。
引用:https://www.sun-a.com/magazine/
そうして完成したクラウンは相当に振り切ったルックスに映りますが、そのデザインに関しても様々な意見が上げられています。
「全長4910mmのボディに対して1800mmの全幅はナロー感が拭えず。せめてあと40~60mm幅広ければスタイリング的な見栄えも良く、それなりにワイドトレッドにもなるのでコーナリングのスタビリティも向上していたと感じる」
「タイヤ径はそこそこあるはずなのに、ボディに対して小さく見える。1800mmの全幅に拘るあまり若干デザイン的に無理がないだろうか。日本国内の狭い道路での使用を想定していることは重々承知だが、最近では幅広のクルマもよく売れているご時世だし」
「デザインはとても良いが、フロントグリルのメッシュデザインは洗車には厄介者!特に夏場夜間の走行後は虫の死骸がたっぷりで除去には一苦労」
「今の時代、横幅1.8メートルにそこまでこだわる必要があるのか疑問。全長は短くとも横幅は大きい車も多くなっているし、クラウンにだけいつまでもそういった制限を設けるのは時代遅れでは?時代に合わせてデザインを一新したと言うわりに横幅はこだわると・・・」
国内ベストサイズの拘りはクラウンの矜持
現行クラウンは先代モデル(アスリート系)と比較して全長は+15 mm、全高は+5 mm、ホイールベースに至っては70 mmも拡大されているにも係わらず、全幅は先代と同じ1800mmに留めています。そのため余計に長さに対して横幅のナロー感が強調されたのかも知れません。
デザインに関しては主観によるところが大きいので、是も非もありませんがクラウンのスリーサイズはやはりトヨタらしい拘りが窺えます。グローバルモデルの現行カローラは世界共通仕様ながら、日本国内で売るモデルにはわざわざボディとホイールベースを短縮、さらにドアミラーの取り付け位置まで修正するなど手を抜きません。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
クラウンも今では海外でも販売されていますが、そのことはあまり意識せず国内ベストのモデルで仕上げるのが第一義とされ、全幅の1800は「クラウン観」として”ありきの数字”だったそうです。
15代目クラウンの特徴である6ライトキャビンも初挑戦でしたが、ここには批判的な評価はあまり見られませんでした。
➄新インターフェイス&デバイスの出来は
伝統のあるクラウンには、デジタル化していく各種デバイスを上手く融合させていくことも開発上の課題であったと思います。インパネに大きなディスプレイを備えるのは、あらゆる車種で定番の手法となりましたが、クラウンのそれについては以下のような口コミがありました。
引用:https://kuruma-news.jp/
「インパネセンターに液晶モニターが2つ入っているが操作系のモニターは傾斜が大きく、画面コントラストも低目で時間帯により日光も入ってきて見辛い。また、実際に操作する場面では地図の拡大縮小がワンタッチでできないのは致命的」
「長距離ドライブへ出かけた際、下段のモニターが突如ブラックアウト。メーカーにも問い合わせをして色々試したが復活せず帰宅してディーラー行き。その際に困ったのは、ナビはもちろんエアコンの操作もできなくなること。幸い窓を開けて温度調整ができる陽気だったが、真夏や真冬なら悲惨だった。
ディーラーでバッテリーターミナルを外して繋ぎ直したら回復したが、今回のことでエアコンスイッチなどの液晶操作化はやめて欲しいと思った」
「AIによる音声対話”エージェント”の音声認識精度が良くなく、かつメルセデスベンツやBMWみたいな車両設定やオーディオ操作までをカバーしておらず、ユーモアのある返しも出来ない」
マイナーチェンジでディスプレイモニター刷新
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
発売時にトヨタのコネクテッドカーシリーズの先陣となったクラウン。その要になるのがセンターディスプレイのはずですが、デビュー当初のタッチパネル式の7インチ+表示専用の8インチからなる二段構えモニターは口コミにもある通りあまり評判が良くなかったようです。
そんな声を反映してかトヨタは2020年の11月に実施した一部改良時にセンターディスプレイを一新。これまでの二段構えモニターをやめ、12.3インチワイドのトヨタマルチオペレーションタッチへと変更しています。
それに伴いインパネセンターの空調関連の操作系もデザインが変更され、こちらも口コミが反映されたのかエアコン操作は物理スイッチやダイヤルで出来るようになりました。
大型タッチ式のモニターと併せて使い勝手はかなり向上することでしょう。
AIよりも有人オペレーターがトヨタ流?
引用:https://response.jp/
音声対話システム“エージェント“には、ナビ本体だけでなくクラウド上の音声認識エンジンも利用しているため、普通のナビの音声認識より賢くなっているのが売りです。但し基本的にナビ用のエージェントなので、質問は原則としてナビに関するものに限定されるため、輸入車に見られるような幅の広い応答にはまだ対応できていないようです。
その分、クラウンには有人のオペレーターと実際に会話しながらドライブのフォローをしてもらえるサービス(有償)もあり、そちらの方が何となくクラウンらしい気もしますね。
その他の不満もあれコレ
大きくは括れない部分にも様々な口コミが集まっていました。主観的なところ、あるいはクルマの個体差などもあり感じ方は人それぞれですが、何点か興味深い内容もありましたのでご紹介しておきます。
「全車速追従式クルーズコントロールは、渋滞などの完全停止後3秒位までしか自動再発進してくれない…せめて30秒位までは自動再発進して欲しい」
引用:https://motorz.jp/
「100km/h走行でのAピラーからの風切り音が大きく気になる。ずっと外車ばかりを乗り継いで来たが、そうした症状を感じたことはなくすごく気になる音だ」
「先代アスリートより100万円近く値上がりしている。最近はデジタル化の普及でいろいろ付いてくるから高価になるのだろうが、その分はしっかりモデルチェンジの度に値上げに跳ね返し回収されている」
「デジタルインナーミラーは重宝。但し、雨が降るとバックガイドモニター同様で効果は半減してしまう。プリウスにも付いている雨滴除去機能が何故にクラウンへは付いていないのか疑問」
「故障ではないがトヨタが鳴り物入りで始めた“LINE”でナビ設定や燃料の確認ができるコネクテットサービスは2年で中止、取りやめになった。けっこう使っていた身からすると、見込み違いだったのか何なのか理由がどこにも開示されないのは不満」
「5年間乗ったメルセデスベンツEクラスから乗り替え。ボディ剛性や足回りの設定からくる高速道路上でのスタビリティ、オートクルーズコントロール追従時の加減速の挙動など、やはり欧州車に及ばない領域はまだまだある」
引用:https://www.webcartop.jp/
時流に合わせ進化が続くクラウンに期待
もちろん本稿では意図して不満点を抽出しチェックをしてきたわけで、ではそれをもってクラウンがクルマとしての魅力度が低いのかといえば、決してそうではないでしょう。実際、先代がおよそ6年で約20万台の販売実績に対し、現行型は3年で約10万台をキープ。しかも期間にコロナ禍の2年近くが含まれていると思えば、かなり健闘している実績です。
そもそもセダン不振の状況は今に始まったことではなく、国産のクラウンクラスだとホンダレジェンドは生産中止が決定、日産フーガは10年以上放置状態、マツダやスバル、三菱にはこのクラスの商品はありません。そうした中ではクラウンは一人気を吐く状態。いわば最後の砦とでもいうべき存在です。
一説には次期型がSUV化するとか、FFモデルへ転身するとか様々な憶測も流れ始めていますが、それもこれもセダン不況にあってもクラウンというブランドが決して消えることはないという裏付けのようにも感じられます。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
直近クラウンの課題は66年間の伝統を継承して行きつつも、ユーザーの若返りを果たせるかどうか。現在、業界一人勝ちのように見られているトヨタの手腕が試されるところですね。
以上、トヨタクラウンの不満点をいくつか検証してみました。
この記事を見てくれた人には新車購入時に絶対損をしてほしくないので、どうやって騙されずに値引き交渉すればよいのか、次の記事でチェックしてみてください。
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