ホンダフリード/フリード+のマイナーチェンジの内容と評価
最終更新日 2021/10/9
ホンダのラインナップ中、2019年の上半期に一番売れた登録車が「フリード」です。
SSクラスミニバンの先駆けとして、市場を切り拓いたフリードですが直近では後発ライバル「トヨタシエンタ」に後塵を拝している状況が続いています(シエンタは2019年登録台数上半期5位。同フリードは8位)。
そんな状況からの逆転を期し、フリードは令和初のマイナーチェンジを10月に敢行。ライバルと比べやや地味目と評されてきたルックスにもメスが入り、高い基本性能にも磨きをかけてきました。
引用:https://www.webcartop.jp
今回のクルドラでは、気になるマイナーチェンジの内容について詳しく見ていきたいと思います!
目次(タップで飛べます)
フリードについておさらい
初代フリードがこの世に誕生したのは2008年、前身となる「モビリオ」の後継車として登場しました。ステップワゴン等Mクラスミニバンでは少々持て余すといった客層に狙いを定め、コンパクトな車体に3列シートを備えるミニ・ミニバンというコンセプトを持ち、モデルサイクル中盤にハイブリッド車が追加されるとホンダのドル箱モデルへと成長しました。
引用:https://221616.com/
現行2代目フリードは、2016年に登場。プラットフォームは初代をキャリーオーバーし、デザイン的にもキープコンセプトなモデルチェンジでしたが、全長は拡大し、パッケージングを刷新して低床化を実現、使い勝手等に磨きが掛かりました。
またハイブリッド用モーターにレアメタルを使用しないなど、環境面での進化も高く評価されました。
引用:https://allabout.co.jp/
先代の2列シートモデル「フリードスパイク」は、2代目では「フリード+(プラス)」として継続されています。但し、外観は初代モデルのように差別化されるところはなく、ノーマル車もプラスもほぼ同一のエクステリアとなりました。
マイナーチェンジで変わったところは?
フリードは2016年の登場後3年が過ぎましたが、その間さほど大きな改良等もなく、途中コンプリートモデル「モデューロX」の追加設定があった程度です。
そのため今回初マイナーチェンジの項目は、内外装のリフレッシュに加え、安全装備の機能向上やドライブフィール改善など多岐に渡っていますが、中でも最大のトピックとなっているのはSUVテイストのエクステリアを持つ新グレード「クロスター(CROSSTAR)」の投入でしょう。
エクステリアはどう変わった?
以下にマイチェンを挟んだ新旧の写真を並べてみました。
まず、一目でフロントマスクは大きく変更されたことが分かります。半面、リア回りはほぼ変更なしといった感じです。
フロントグリルに関して旧モデルは、当時のホンダデザインコンセプトであった「ソリッド・ウィング・フェイス」を用いています。
フィット、ヴェゼル、ステップワゴン、シャトルなど最近のホンダ車は、殆どこのグリルとなりファミリーフェイスを構築してきましたが、今いちトレンドに乗り切れなかったというか、BMWのキドニーグリルやアウディのシングルフレームグリル、国産なら鼓動デザイン以降のマツダ顔ほどには評価されてこなかった印象です。
新モデルではそのファミリーフェイスを離れ、むしろシンプルでクリーンなグリルへと変更になっています。ギラギラ感が後退したような感じですかね。
引用:https://response.jp/
このことは新型N-WGNが今年7月に発表されたときにも言われており、従来のホンダ車はエクステリアにとにかく「線」が多く、キャラ立ちはするものの煩雑なイメージとなるデザインでした。それに対し新型N-WGNでは、スッキリとした面や張りによるエクステリアデザインへ転換されたわけですが、今回の新フリードのフロントマスクも同様の考えによるものでしょうか。
今回はマイチェンですから、サイドのキャラクターラインなどはそのままですが、3代目となる頃にはかなりスッキリデザインとなる予感がします。
ボディカラーはほぼ刷新!
エクステリア関連では、ボディカラーは大きく変更になりました。マイナーチェンジで、ここまでカラーの置き換えが行われるのは珍しいのではないでしょうか。
全9色が用意されていますが、以下のとおり変更もしくは継続となっています。
イメージカラーは旧モデルのブルーホライゾンメタリックに代わる、シーグラスブルーパールとなっています。海の宝石と言われる「シーグラス」を連想させる、落ち着いた色調の上品なカラーですね。
インテリアはカラーの見直しのみ
インテリアについては、加飾パネルやシート表皮カラーの変更が行われ、選択できる色数は減っています。マイナーチェンジの際にインテリアカラーを整理していくのは、最近のホンダのトレンドになりつつあるようで、今年5月にマイチェンしたシャトルでも同様でした。クルドラでは、別ページでレポートしていますのでそちらもご参考に。
フリードでは旧モデルにモカとベージュ、2色の内装色が設定されていましたが、その内ベージュ内装(ファブリック)は姿を消し、基本色で選択できるのはモカ内装(同じくファブリック)1色だけとなりました。
旧モデルのベージュ内装には、白木調のインパネ加飾が組み合わされナチュラルモダンな空間を訴求してきましたが、わりとあっさりと廃止になりましたね。ちなみに白木調のインパネ加飾は新モデルではウォールナット調の加飾に代わりました。
モカ内装以外では、Sパッケージというメーカーオプションを付ければ黒内装が選択できます。このオプション黒内装は、プライムスムースという合皮とファブリックのコンビシートとなりますが、旧モデルにあったフツーの黒ファブリック内装は廃止となっています(旧モデルには黒ファブリック内装が、フリード+用のインテリアとして設定あり)。
また、後述しますクロスターには専用の内装が用意されています。
ホンダセンシングは全車標準に!
安全装備では全てのグレードにHonda SENSING(ホンダセンシング)が標準となりました。
ホンダセンシングの進化ポイントは次の三点です。
ACC(アダプティブクルーズコントロール)に関しては制御がバージョンアップし、前方を走るクルマがいなくなったときなどに自動で再加速する際のフィーリングを改良。ドライバーの運転感覚により近い、スムーズな加速ができるようになりました。但し、今回のマイチェンではベースユニットの制約等により、残念ながら新型N-WGNに搭載されている「渋滞追従機能付ACC」は搭載されませんでした。次期型に期待しましょう。
誤発進抑制機能は、これまで前方のみの対応であったものが後方へも対応するようになり、ライバル車シエンタとこの機能では並びました。
引用:https://www.webcg.net/
標識認識機能では、AIに辞書機能を搭載し、例えば日本語の「停止」と英語の「STOP」が同一の意味であることを理解させられるようにしたとか。来年の東京オリンピックに合わせ、都内などでは英語併記の標識も増えつつあり、それらにも対応できるようになっているそうです。
走行フィールの改善にも注目
前項のACC改良で自然な運転感覚に近づくことがキーワードとなっていましたが、同様の目的で他にも7速DCTやCVTの制御見直しが行われています。
それが「ステップダウンシフト制御」で、下り坂やコーナーなど一定以上のブレーキ操作を行う場面で、エンジンブレーキを自動的に効かせる機能です。
これにより安心感のある減速と、カーブなどでは加速に備えた制御も行うことで、俊敏な走り出しを可能にします。
その他にもパワーステアリング制御も見直され、普段は軽い操作感を維持しつつ、コーナーリングで旋回速度が高いときにはアシストを抑制して操作感を重めにします。これによりステアリングの市街地での軽快感と高速走行時の安定感を両立させています。
エンジン性能は燃費向上へ
パワートレインは、基本マイナーチェンジにおける変更はありません。
ガソリン車は1.5ℓ直噴DOHC i-VTECエンジンとCVTの組合わせ。ハイブリッド車には1モーター方式 の「i-DCD」を採用した1.5ℓアトキンソンサイクル i-VTECエンジンと7速DCTの組合わせとなります。
引用:https://web.goout.jp/
一部に噂されたインサイトやCR-Vに搭載される2モーター方式の「i-MMD」搭載は見送りとなっています。
その一方、ハイブリッドモデルでは吸気ポートの燃焼改善や排気バルブのリファインなどを図り、実際の走行シーンでの燃費性能を向上させています。
機能ミニバン、形SUV!クロスター
マイチェン後のグレード構成は
次にマイナーチェンジの目玉とも言えるクロスターについて見ていきますが、初めにマイチェン後のグレード構成をチェックしておきます。
上記のとおり全車でホンダセンシングが標準となったことから、旧モデルにあったセンシングのない「G」グレードはなくなり、また最上級グレードであった「EX」も消滅しています。
そのEXに代わるようなポジショニングとなるのが新グレードの「クロスター」です。
流行りのSUVルックで魅力度アップ
引用:https://kakakumag.com/
クロスターはフリードが持つ3列多人数乗用だったり、電動スライドドアあるいはセンターウォークスルーといったミニバンの強みに加えて、気軽、手軽、身軽なアーバンアウトドアスタイルを掛け合わせたグレードです。
クロスターのデザインを見て、ふと思い浮かべたのは、先代フィットのブラジル仕様車に設定があった「ツイスト(Twist)」ですね。雰囲気は一緒です。
引用:https://salaodocarro.com.br/
クロスターは、あくまでもSUV風というデザインに留めており、ゴツいガチなSUVルックではありません。
わかりやすいところでは、いかにもと言った黒い樹脂のフェンダーアーチモールなどはありませんし、最低地上高や走行性能もノーマルグレードと変わることはありません。あくまで雰囲気重視というのが、イマ風と取れなくもないですが。
引用:https://response.jp/
とはいえクロスター専用のフロントグリルとバンパー、フロントロアスポイラー、ルーフレール、専用アルミホイールなどが奢られ、内装でも専用のインテリアカラーとオレンジのステッチが施された専用シートが装備される他、加飾パネルも「ローズウッド」とこちらも専用品となっています。
クロスオーバー風のエクステリアデザインは、近年コンパクトカーや軽自動車でも流行し、売れ筋となっている状況を見れば、今後フリードのメイングレードとなっていくのは間違いないでしょう。
唯一価格的にノーマルより20万円以上高くなるのが、コンパクトカーをご検討の方にはネックでしょうか。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/
ちなみにノーマルグレードのマイチェン後価格は、同グレードで比較した場合、約2万円弱の値上げとなりますので、ホンダセンシングのアップデートやCVT、ステアリングの改良などを加味すれば、価格据え置き以上の価値はあると思われます。
早晩、兄弟車にあたるフィットのフルモデルチェンジも控えていますが、フリードは今後もホンダのドル箱モデルとして、さらなる人気を獲得していくことでしょう。
引用:https://motor-fan.jp/
以上、ホンダフリードの2019年版マイナーチェンジをご紹介しました。
この記事を見てくれた人には新車購入時に絶対損をしてほしくないので、どうやって騙されずに値引き交渉すればよいのか、次の記事でチェックしてみてください。
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