後悔しないために確認しておきたい日産キックスの不満点4つ+α
最終更新日 2021/9/18
かつて不動であった国内自動車メーカーNO.2の座も今は昔。2020年現在の日産は、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5番手(メーカー別国内販売順位)です。巨額の赤字やゴーン問題等、窮地にある日産は、経営立て直しのため今年5月に中期経営計画を発表しました。
その中には工場の閉鎖や生産能力の最適化などに併せ、今後18か月の間に12の新型車を投入、内2023年度末までには新たな電気自動車2車種とe-POWER搭載車両 4車種を追加することも含まれていました。
引用:https://response.jp/
そんな”NISSAN NEXT”の先陣を切ることになったのが、2010年の電気自動車リーフ以来、国内では約10年ぶりの新型車となる「キックス」です。
キックスは人気のCセグメントSUVですが、6月30日に発売されると、およそ3週間で9000台の受注を獲得し滑り出しは好調のようです。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
今回のクルドラでは、日産期待の新星キックスを実際に所有した方や体感した方からの様々な口コミ情報を徹底チェック。好評のキックスに見え隠れするマイナスポイントを洗い出し検証していきますので、ぜひ新車購入の参考にしてください!
目次(タップで飛べます)
キックスのプロフィール
クルマに詳しい方なら以前、三菱パジェロミニのOEMとして販売されていた軽自動車のキックスを思い浮かべるかも知れませんが、現在のキックスは2016年にアジアやブラジル向けに開発されたコンパクトクロスオーバーです。
引用:https://car-me.jp/
そのキックスをベースに日本向けにリニューアルされたものが、今年発売となったモデルですが、タイミング的にはこれまで日産の同セグメントを牽引してきたジュークの国内販売終了に重なるため、後継車的な位置づけでもあります。
2016年発売のグローバルモデルのマイナーチェンジに併せる形で、日本仕様に見直された大きな箇所はハイブリッドe-POWERの搭載、運転支援技術プロパイロットの採用、おしゃれなデザインの3点とのこと。
引用:https://www.gqjapan.jp/
e-POWERやプロパイロットは日産の宝刀ながら、そもそも元のキックスには設定されていなかっただけに、そこへ盛り込むためマイチェンの域を超えた改修が行われたのは想像に難くありません。さらにデザインについても、アジアや南米では大衆車でありファミリーカーでもありといった出自のものが、審美眼鋭い日本人に向けてはプレミアム感を強調する方向でリデザインされました。
先行するホンダヴェゼルやトヨタC-HR、マツダCX-30ら強力なライバル車が並ぶ”激戦区”に投入された最新日産SUVは、独自技術で活路を見出します。
引用:https://motor-fan.jp/
キックスの不満点を確認
キックスはデビュー後、まだ2か月のモデルのために口コミのボリュームはまだそれほど多くはありませんが、チェックしていくといくつかハッキリとした傾向は見られます。
本稿ではネガティブな意見の数が多い順にご紹介していきましょう。
①コンパクトSUVとしては高すぎる車両価格
引用:http://musashi-rm.cocolog-nifty.com/
いきなりクルマそのものではなく「ソコか~い」と突っ込む方もいるでしょうが、クルマは価格まで含めてが”パッケージ”ですから大事なポイント。実際、市場の声も以下のように集まっているのが実態ですから仕方ありませんね。
「モノが良いのはわかるが若干高いと感じてしまった。標準的なオプション込みで乗り出し350万!発売直後だから値引きも少なく、この金額なら他社の1ランク上のSUVが買えそうなところが惜しい」
「286万でフル装備と思いきや、なんとオーディオレスの為、約30万と高価なナビレコパックが必要になり総額は約380万円とのこと。なんと新型ハリアーの中間グレードXのガソリンモデルとほぼ同予算となるし、マツダCX-5の上位グレードにも迫る価格」
「ナビ、ドライブレコーダー、ETCを付けたときは乗り出しでざっと350万とのこと。オプションの付け方次第では、さらに上がるが正直高いと感じた。e-POWER搭載によることなら、ちょっとクラス観に釣り合っていない高さかと思う」
「350万円超の購入価格にしてリヤシートにセンターアームレストが無いこと。また、エアコンが左右別々のデュアルタイプではないなど同価格以下のヴェゼルには両方装備されているので、比較検討するとき注意が必要」
今後のグレードバリエーションに期待!
口コミ通りクラスを考えると確かに”高い“ですが、一方で装備内容やe-POWERというハイブリッドオンリーの設定、最新運転支援システム搭載を考えれば、価格相応と言えなくもない点はある程度理解されているようです。
引用:https://motor-fan.jp/
問題は1グレードしか設定がないことでしょう。キックスに1.2ℓガソリンターボで本体価格200万円切りのグレードがあり、上級グレードにはe-POWERのフル装備モデルがある、といった感じなら評価も変わっていたのでは。
もちろん今はローンチモデルとしてフル装備1グレードでスタートし、今後にバリエーション展開することは考えられます。タイ生産の輸入車であるところにも難しさはあるかも知れませんが、すべては売れ行き次第で解決していくかも知れません。
②エクステリアは頑張っている、でも内装は・・・
引用:https://minkara.carview.co.jp/
口コミ不満で価格面と同じくらいのボリュームが集まっていたのが、インテリア。特に内装の樹脂系パーツの質感についてです。Vモーショングリルをモチーフに、新たにデザインされたエクステリアの評価が概ね好評なだけに余計にインテリアについての指摘が目立ちます。
「内装はオレンジのツートン部分の質感は高く感じたが、ダッシュボードとドア内張りのプラがチープだ。シフトノブがセレナと同じものと思っていたら、小さくオモチャみたいだった」
「インパネアッパー部が硬質樹脂なのは競合他車も同じだが、塗装していないためかテカテカとグロス感が強い。合皮製のオーナメント部分とのメリハリが付き過ぎている。また、天井の素材が新車なのに何故か毛羽立っていたのも割高なプライスのモデルとしては興ざめしてしまう」
引用:https://tmhshiroto.com/
「液晶画面とアナログ指針のメーターは、リーフの流用なのか旧い。スピードメーターだけがアナログメーターなのはチグハグな感じがしたので、いっそのことスピードメーターも一体の液晶画面にすればイマ風なのに。ウィンカーレバーの質感やクリック感にもコストダウンを感じさせる」
「残念なのは本革ステアリングの材質とドアパネルやスピーカーの穴。同じプラスチック素材でもドアパネルのように面積の大きな箇所は色の変更やモール、シボ等を工夫すれば見栄えはもっと良くなる」
「ステアリングは本革仕上げだが、質感というより”触感“が悪くざらついている。しなやかな触感がウリの本革がこれでは、所詮アジア向け商品という素性が露呈しているよう」
内装の質感はアジア向けレベルなのか?
けっして色メガネで見るわけにはいきませんが、「タイ産」と聞くと「品質は?」となる方が多いのも事実。
日産なら現行4代目マーチがモデルチェンジ (もはや10年前の話ですが) に際して、国内生産からタイ生産に切り替わることがありましたが、そのときの評価もイマイチであったと記憶しています。そうした印象を引きずると余計に「キックスは大丈夫?」となるのも人情。
結果としては今のところ上記のように厳しい評価が多いです。特に黒い樹脂関連、具体的にはダッシュボード上面、パワーウィンドウスイッチ周りのパネル、リヤドアパネルなどの安っぽさが指摘されています。また、本革ステアリングの質感への不満も目立ちます。
引用:https://review.kakaku.com/
エクステリアの変更に比べると手抜き、あるいはコストダウンの影響がけっこう出ているとの評価ですが、インテリアも日本仕様に向けセンターコンソールとアームレストは新造されています。他にもインパネのパッド部分やメーターパネル内の装飾など、一見グローバルモデルと同じように見えても細かい改良が実施されていて、相当に手は入っているのは間違いありません。
後は生産ロットが伸びてくれば品質も安定し、小改良も加わってくるでしょう。
③シート、リヤラッゲジルームの不満は?
コンパクトクロスオーバーでも各メーカーは知恵を絞り、空間効率を高めSUVらしいユーティリティや居住性を確保しています。
引用:https://car-moby.jp/
その要になるのがシートの出来やラゲッジスペースの容量になりますが、キックスでは以下のような口コミが見られました。
「フロントシートの座面が長すぎて、ひざ裏に当たってしまいとても疲れる。グローバルモデルとして作るとこの寸法になってしまうのだろうか?私より小柄な人もいると思うが、少しこの寸法、サイズ感はないと思う」
「2列目の居住空間はけっこう厳し目。ひざ前空間も狭いが、それ以上に気になったのが背もたれの角度。直角なんじゃないかと思うくらい角度がついていて、お世辞にも居心地がいい空間ではなかった」
引用:https://www.gqjapan.jp/
「もう少しダッシュボード形状等に工夫や新しさが欲しかった。三菱車と同じくどこか古臭い印象が拭えない。また、センターアームレストはドリンクホルダー、スイッチ類を気にしてか短い上に、位置が低すぎ」
「残念なのはラゲッジルームのタイヤ張り出し。そのためラゲッジは最大幅約120cmと謳われているが、実際は95cmくらいの幅の部分が大半を占めてしまっている。高さ55cm、底部奥行き80cm、上部奥行き50cmとまずまずのスペースを確保しているだけにタイヤの張り出しが小さければ」
引用:https://motor-fan.jp/
次世代型プラットフォームの登場はあるか?
ダイハツロッキーやトヨタライズ、あるいは登場したばかりのヤリスクロスなどBセグメントのSUVも増えてきた中では、これまでコンパクトとされてきたCセグメントSUVも一回り大きなジャンルと見られるようになり、その分、広さや高さの数値も重要なポイントになっています。
キックスのラゲッジ容量はクラストップ級を誇るものの、確かにタイヤハウスの張り出しなどで使い勝手は損をしている印象です。
引用:https://car-moby.jp/
キックスの実寸で気になるのは室内幅の1420mmで、ヴェゼルの1485mm、C-HRの1455mm、CX-30の1490mmよりミニマムです。室内長や室内高はライバル車に引けを取りませんが、このあたりは新型とはいえ基本骨格が、2010年デビューの現行マーチと同じVプラットフォームであることによるネガな部分でしょうか。
もちろんVプラットフォームも2020年版キックスでは剛性面などで別物に近い手は加えられており、そちら方面に問題はないようですが、そろそろトヨタのTNGAやスバルのSGPのように次世代型グローバルプラットフォームの登場が待たれます。
④ナビゲーション設定の”在り方”が古い
引用:https://bestcarweb.jp/
輸入車をはじめ、トヨタやマツダのように新車へディスプレイ、モニター類が標準装備化される動きは加速しています。その多くはスマートフォンとの連携を視野に入れた、コネクテッド方式が主流です。
それに対してキックスでは、少し前まで主流であった車載専用ナビゲーションを別途オプションで購入して取り付ける方式です。仮にナビを買わない場合は、インパネにカバーすら付かないため穴が開いた状態での納車になります。まぁナビを買わないという選択肢はないという前提のようですが、前述した「価格の不満」にもナビの追い金に批判が集まっていました。
「オーディオレスでディーラーオプションのカーナビ設定だけとは、時代の流れに逆行する大変勇気ある行為だが、日産のその目線の先にいるのはユーザーではなくディーラーとカーナビメーカーのようだ」
「一番残念なのは、いまだにオーディオレスであること。例えば最近登場したトヨタハリアーでは、センターディスプレイ標準装備でスマホ連携の標準的なアプリApple CarPlayなどにも対応しており、それがイマドキの世界基準」
「ナビは標準7インチ(税込13.2万円)と上級9インチ(税込24.9万円)を選べるのだが、驚くべき事にアラウンドビューモニター表示に対応しているのは上級9インチのみ。明らかに高いオプションを買わせようとしているのが伺える」
「アラウンドビューモニターは、カメラで写した映像を処理して車両上空から見ているような感覚で周辺の確認が出来る利便性の高い装備だが、なんと画像は電子インナーミラーに映される。車両感覚を補いたいから画像を見るのにその画像がルームミラーのように小さな画面に写されるというのに驚いた。解決するには25万円の9インチナビの購入が必要となる」
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
トヨタやマツダ、BMWにプジョーなど今はインパネに据え置いたようなディスプレイが流行のようですが、そこをマイナーチェンジのキックスに求めるのは難しいかも知れません。例えば昨年末にフルモデルチェンジで新型へ移行したジューク(欧州向け)は、そのインパネを見ると据え置き型のディスプレイが標準化されていることが分かります。
ナビサイズによる機能制限はなくしてほしい!
そうした背景は理解したとしてもイマイチ合点がいかないのは、口コミにもあるアラウンドビューモニターの表示が7インチナビでは対応できない点。確かに今回の日本仕様キックスでは、インパネソフトパッド部に9インチサイズを収めるためにデザインした跡があり、できれば「そちらを」と思う気持ちも分かりますが、只でさえ選択肢の少ないキックスです。
引用:https://minkara.carview.co.jp/
予算もあることだし、ナビ位どちらのサイズを選んでも同じ機能は備えて欲しかったところです。
⑤細かいご指摘アレこれ
大きくはくくれない部分にも様々な口コミが集まっていました。真偽のほどはさておき、感じ方は人それぞれでいくつか興味深い内容もあるのでご紹介しておきます。
「シティ派モデルとはいえSUVに4WD設定が無いのは??」
「代々日産車に乗る常連さんの買い替え用というポジショニングなら、これでも充分かも知れないが、王者ヴェゼルの牙城を崩すほどの完成度には及ばず、競合して勝てる内容には感じられなかった」
引用:http://brog.tomorrow01.com/
「現行マーチ、現行ノートなどと共有するプラットフォームは、アジア用の低コストに作られたもので、クラスは同じでも欧州向けの新型ジュークとは別物。日本向けにわざわざ旧いシャーシを持ち込むのは、市場的にやはり軽視されている気がする」
「あの個性派ジュークの後継車にしては、ものすごく”普通”なモデルになった」
「e-POWERの出力は上がったようだが、車重に相殺されてしまいノートとの差はさほど感じられなかった」
「新世代商品群の先陣を切るモデルなのだから、エンブレムも「アリア」と同じ新日産マークにして欲しかった」
“やっちゃえ日産”新章の先陣を切る
中には重箱の隅を突くようなものもありましたが、もちろんここでは意図して不満点を抽出しチェックをしてきたわけで、ではそれをもってキックスがクルマとしての魅力度が低いのかといえば、決してそうではないでしょう。
それを裏付ける事実として、日本では今回初出となりましたが、グローバルでは冒頭にあるとおり2016年のブラジルを皮切りに、メキシコ、チリ、UAE、中国、台湾、アメリカ、カナダ、インドと順次発売され、多くの地域でセグメントNO.1を記録しています。
正に日産の小型SUV王道はこのキックスで、日本と欧州で販売されていたジュークがむしろ少数派なのです。
引用:https://autos.goo.ne.jp/
タイ産をネガに捉える向きもありますが、それはタイが国策としてEVやPHEV、ハイブリッドを含む電動車の現地生産を促進するため、税金面での優遇措置を打ち出しているからです。日産以外の国産メーカーも次々と進出する予定なので、タイは電動車生産の一大拠点になっていくかも知れません
これから何年掛かるかは分かりませんが、日産がかつての輝きを取り戻したとき、その先兵はe-POWERのキックスだったね、と語り継がれる日が来ることを期待しましょう。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
以上、キックスの不満点をいくつか検証してみました。
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