日産デイズのフルモデルチェンジの内容と評価
最終更新日 2021/10/9
2019年、日産自動車はゴーン事件や業績低迷などあまり明るいニュースはありませんが、そんな中、令和元年日産新型車のトップバッターがデイズです。
デイズはハイト系軽自動車ですから、今の日本では最も売れセンジャンル。当然、他メーカーのライバル車も強力です。
ここでは激戦ジャンルを制するため2019年の3月にフルモデルチェンジし、2代目となったデイズについて、その進化のポイントをご紹介していきます!
引用:https://www.goo-net.com/
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デイズのプロフィール
現在、軽自動車を系統立てると主に下記のような区分になっています。
販売の主流となっているのは、スーパーハイト系といわれる全高が1,700mmを超える背高軽で、N-BOXやタントなど大ヒットモデルが揃います。デイズは、1,600mmを超えるハイト系にあたるモデルで、かつてはこの系列がワゴンRやムーブなどが市場を牽引していました。
引用:https://autos.goo.ne.jp/
日産は2002年頃から、スズキや三菱のOEMにより軽自動車を販売してきましたが、2011年に三菱との合弁による軽自動車開発会社NMKVを設立。純日産ブランドの軽自動車開発をスタートしました。
2013年に発売となった初代日産デイズは、その第一号モデルで、販売開始後1か月で約30,000台を受注。これは月販目標台数の3倍以上となる大ヒットです。2014年にはスーパーハイト系となるデイズルークスも追加され、瞬く間にデイズは人気シリーズとなりました。
今回2代目モデル(デイズルークスは現在、初代モデルが継続販売中)となりましたが、初代モデルから最も変わった点は、日産が開発を主導してきたことでしょう。NMKVは合弁会社ですが、前回日産の役割は商品企画とデザイン位までで、初代モデルについては軽自動車に“一日の長”のある三菱が開発、製造まですべて行ってきました。
引用:https://www.webcg.net/
しかし2代目モデルでは史上初、正真正銘の日産軽自動車第一号となったのです(生産は初代同様、三菱の水島製作所)。ここではその渾身のモデルチェンジの中身を見ていきましょう!
モデルチェンジの進化ポイント
日産が開発するにあたり、主題としたのは“ファーストカー”としての軽自動車。それはかつてのように経済性だけのセカンドカーとして軽を選択する時代ではなく、一家に一台のクルマとしての役割が求められている。その点を重視するということです。
つまり長距離移動もこなし、複数人乗車でもストレスのない「ひとクラス上の軽」。それを日産の持つ先進技術によって作り上げることを命題としたのです。
ポイント① エクステリアは軽の新潮流か!
実は先代デイズのエクステリアデザインは、NMKV内のコンペの結果三菱案が採用となったため、今回が初めてのThe日産軽デザインということになります。
初代同様に、というかイマドキ軽の殆どと同様にデイズにもスタンダード系とカスタム系の2パターンがあります。
実際のところデイズの売行きはカスタム系のハイウェイスターが大部分を占めていて、2代目においても販売の中心になるのは間違いありません。エクステリアの開発段階でも、今回はまずハイウェイスターが先行していたと言います。
日産デザインアイコンのVモーショングリルも、ハイウィスターの方はかなり主張が大きいですが、これまでのカスタム系と言えば、ド派手目なメッキ化粧といった風味のクルマが多かった気がします。対して今回のハイウェイスターは、Vモーションで存在感は放ちますが、どこかスリークで小奇麗な印象により魅力度がアップしたように感じます。
以下3枚引用:SAN-EI SHOBO MAGAZINE
日産のデザイン言語を持ち込むことで、軽のエクステリア(特にカスタム系)も新潮流に入ってきたのでしょうか。
ポイント② 女性目線による開発で使い勝手抜群に!
2代目開発時のキーとなったのが、女性の意見を吸い上げる評価チームを設置して、その意見を開発に反映させたことです。その評価結果は、インテリアのダッシュボードやスイッチ類の形状、細かい収納スペースに留まらず、アクセルペダルの踏込角度やATセレクトレバーの取付位置にまで活かされたそうです。
中でも収納の数はとても多く、しかも単に多いだけではなく「見せる収納」「見せたくない物の収納」といった女性ならではのキメの細やかさも感じられる仕上がりとなっています。
助手席ドアに備えられた車検証用のフタ付ポケット(上記写真:最下段中央)や、ゴミ箱代わりにも使えるようなセンターコンソール下のボックス(同:下から2段目中央)などはその成果でしょうね。
また、インテリアではさすがにオプションで追加費用が必要になりますが、プレミアムコンビネーションインテリアも魅力的です。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
シート生地が合成皮革及びトリコットに上級化される他、軽で初めてインパネがレザー調にラッピングされ、ミドルクラスセダンの質感へと引き上げてくれます。この辺りも日産の狙いである“軽でもファーストカー”の一助と言えるでしょう。
引用:https://www.webcartop.jp/
ポイント③ 軽自動車にも自動運転時代到来か!
初代デイズのときから日産は先進技術の投入には力を入れており、自動ブレーキやアラウンドビューモニターといった安全装備を上級車だけでなく軽自動車へも積極的に拡大させてきました。今回のモデルチェンジで最大のトピックは、その延長線上にある”プロパイロット”を軽として初搭載したことでしょう。
プロパイロットとは同一車線内半自動運転技術のことで、機能としては先行車と適切な車間距離を保って追従走行できる“全車速追従型クルーズコントロール”と車線の中央を走るようステアリングが自動で操作される“レーンキープアシストシステム”で構成されています。
プロパイロットの車速は30~100kmの間で設定可能で、追従走行しているときは先行車が停車するまで対応していて、停車が3秒以内なら自動で再発進する優れものです。このあたりの機能は、普通車のセレナなどとすべて同等で、軽だから省いたという部分が全くない点からも今回のモデルチェンジの背景が伺えます。技術の日産、ホンキです!
一昔前の発想なら、軽にそこまで?と見る向きもあるでしょうが、おそらくこの後モデルチェンジするタントやN-WGNにも装備されてくることは十分予想でき、アッと言う間にスタンダードな機能となっていくはずです。
今やクルマ選び最大の関心事は安全装備ともいえるご時世、その他の装備もとても充実しています。歩行者対応型となった衝突安全ブレーキはもちろん、踏み間違い衝突防止アシストは前進と後退両方向対応になり、これまでの出力制御だけでなくブレーキも作動するようになりました。SRSエアバッグは運転席・助手席のみならず、サイド&カーテンエアバッグも全車標準となっています。
ポイント④ 先代の弱点だった静粛性はどうなったか!
日産調べでは、先代デイズのもっともウィークポイントとされていたのが静粛性らしく、その騒音源の一つはエンジン。そこで2代目ではエンジンを新開発しています(もっともプラットフォームからCVTからみんな新開発なわけですが)。自然吸気とターボを用意し、どちらもスペック上の数値で先代を超えるのはもちろん、ハイウェイスター系には加速時に駆動をアシストしてくれるスマートシンプルハイブリッドが備わります。
引用:https://www.webcg.net/
この新エンジン、元はルノー/日産グループの1,000ccまでキャパシティのあるエンジンなため、重量的には重く多少不利ながら、その分振動や騒音面では有利。このエンジンを使うことで「軽のレベルを超えた静粛性」を達成しているそうです。
ポイント⑤ 気になる価格をチェック!
新型デイズの価格は以下のとおりとなっています。
もちろん先代よりも上昇していますが、進化の度合いを考えれば近いグレード同士の比較で4~8万円程度のアップなのは正にバーゲンプライス。
先代に設定のないプロパイロット仕様を選ぶとさらに10万円少々の上乗せが必要になりますが、今選ぶべき軽自動車として、この装備をやめるのは何とも勿体ない感じがしませんか?
ポイント⑥ 兄弟車ekクロスにない装備は?
日産と三菱の合弁会社NMKVで生産されるクルマですから、当然三菱からも先代同様に兄弟車が発売されました。車種構成としては、デイズ(スタンダード)にあたるのがekワゴン、デイズハイウェイスターにあたるのがekクロスです。先代までのekカスタムが、今回のモデルチェンジでekクロスへ転身した格好です。
フロントマスクやリアデザインは双方の会社でそれぞれデザインされているので、全く別物ですが、機能面ではほぼ同一となり、グレードやオプション設定で差がある程度です。
日産の看板技術プロパイロットもMIパイロットと名称だけ変え、しっかりekクロスにも搭載されています。
ところが一点、ekシリーズには設定のない装備があり、それが先進事故自動通報システムのSOSコール(但し全車メーカーオプション)です。これはSOSボタンを押すか、エアバッグが作動した場合に専門オペレーターがドライバーへ呼びかけ、状況に応じて消防や警察に通報するシステム。万一呼びかけに反応がない場合は、事故の重篤度によりドクターヘリの派遣まで対応してくれます。
まぁ使わないに越したことはないシステムですが、基本メカニズムが同じである兄弟車なので当然、ekシリーズにもあってもおかしくないのですが何故かありません。
調べてみたところ、SOSコールのシステムはNPO法人救急ヘリ病院ネットワークと自動車メーカー、サービスプロバイダーからなるヘルプネットの「D-Call Net」というシステムを活用していて、早い話し三菱はこのヘルプネットに参画していないためでした。国産メーカーではトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバルが加入していますが、将来的に三菱も加入することがあれば、SOSコールが追加装備されるのでしょう。
反対にekクロスにはあってデイズにない装備としては、車両後方にあるカメラの映像をルームミラーに映し出す「デジタルルームミラー」があります。
軽自動車のブレイクスルーはなったか
日産が初めての軽自動車開発に挑み、満を持して市場投入した渾身の一作がデイズです。
2013年に発売された初代デイズと違い、共同開発という枠を超え正に日産の産んだ軽自動車と言っても過言ではありません。
引用:https://toyokeizai.net/
日産らしいスポーティなデザイン、高級車で培ってきた上質なインテリア、一方で軽自動車らしい高い経済性、そして何より高度な先進安全装備の数々を惜しみなく投入し、デイズは既存軽自動車のブレイクスルーを果たしたのではないでしょうか。後に続く軽自動車も相当にハードルが上がったはずです。
引用:https://www.webcartop.jp/
冒頭にも述べたとおり、現在の日産は苦しい経営環境にありますが、デイズのようなレベルの高いクルマを開発し続けていくことで、Vモーショングリルよろしく逆境からのV字回復に期待したいところです。
引用:https://gazoo.com/
以上、日産デイズの2019年フルモデルチェンジをご紹介しました。
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