カローラツーリングのおすすめグレードを比較して検証!ベストバイモデルはどれ!?
最終更新日 2021/11/1
日本の、というより「世界の」と表現しても誤りでないグローバルベストセラーカーの一つであるトヨタカローラ。1966年ですから昭和41年に初代がデビューして以来、五十有余年、絶えることなく歩み続けて令和の世に12代目となるモデルが登場しました。
今やSUVと軽自動車が主役となった市場に、これまでと変わらずセダンとワゴンを投入。一足先にデビューしていたハッチバックと併せて不動のラインナップを展開しているのは、トヨタ自動車の矜持を感じます。
昨今はモデルチェンジに合わせて車名を変更してくるモデルも多くありますが、例えば従来ハッチバック車は日本を含む一部地域で「オーリス」と呼称していましたが、今回から「カローラ(スポーツ)」に戻してきました。
このことからもトヨタにとって、いかにこのブランドが重要か、また12代目への刷新が力のこもったものであるのかが伺えます。
今回のクルドラでは、「ローマは一日にして成らず」を地で行く”累計販売台数”ギネス世界記録ホルダーである新型カローラのワゴンモデル”ツーリング”を実際に購入する際、選ぶべきベストバイグレードは何かを徹底、比較検証していきます。
引用:https://www.autocar.jp/
目次(タップで飛べます)
新型カローラツーリングはこんなクルマ
12代目となったカローラシリーズはあらゆる意味で従来型と一線を画すモデルとなりました。
先代カローラの国内仕様は、日本専売モデルであり基本骨格も5ナンバーサイズを意識して、グローバル向けカローラプラットフォームより一回り小さいヴィッツ用のものを基準に設計されていました。
12代目もハッチバックの「スポーツ」を除き、セダンとワゴン(ツーリング)は国内向けに若干ナローサイズとなる専用ボディが与えられている点は変わりません。しかし今回は基本骨格の部分でTNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)のGA-Cプラットフォームを採用する世界共通仕様となりました。
引用:https://www.sun-a.com/magazine/
従来カローラはグローバルで3タイプのベースが存在しましたが、新型からは全世界で同じカローラ、”ワン(ONE)カローラ”がコンセプトです。その上でエクステリアは各国の事情に合わせて最適化した寸法へ調整して、本当に使いやすいクルマであることを目指しています。
カローラツーリングは11代目のワゴン、カローラフィールダーに比べると、全長は95mm伸び、全幅は50mm拡大しています。全幅の関係でツーリングは3ナンバー登録になりますが、エクステリアのバランスを考慮すれば、ムリくり1695mmに押し込めなかったのはむしろ英断。
引用:https://4x4magazine.co.jp/
トヨタではプリウスが同じようにモデルチェンジを機に3ナンバー化しましたが、セールス的な落ち込みはなく、もはや是が非でも5ナンバーで、という時代ではなくなっているのかも知れません。開発者コメントでも3ナンバー化に当たっては、大ヒットとなった3代目プリウスのサイズ感を意識したとあります(全幅は1745mmでツーリングと同サイズ)。
逆に全高は15mm低くなっていて、ある程度ユーザー層の若返りも視野に入れたいトヨタとしては、キーンルックと併せてカッコよくまとめてきた印象です。
ちなみにハッチバックのカローラスポーツは、欧州仕様と同じ車幅のワイドボディになっていて、18インチの大径ホイール等の設定も含め、もろにそうしたユーザー層へ訴求しているのが伺えます。
カローラツーリングのグレードを徹底チェック
カローラツーリングのグレード構成は以下の通り、G-X、S、W×B(ダブルバイビー)の3グレード展開となっています。ひと頃に比べるとどのメーカーのどのモデルもグレード構成はシンプル化していますね。
カローラツーリングのグレードの特徴は、今のところガソリンモデルに4WDがないこと、ダウンサイジングターボの6MT車があること、Toyota Safety Senseの付かない廉価なビジネスユース的なモデルがないこと、などでしょうか。
歴代カローラ(セダン、ワゴンとも)にビジネス仕様がないのは珍しいのですが、実際には先代のアクシオ(セダン)とフィールダー(ワゴン)がグレードを絞って継続販売されているのが理由でしょう。やはりこと仕事で使うとなれば、5ナンバーの方が、、なんて場面は意外とあるものです。
では順にグレードをチェックしていきましょう。
ポイントを押さえた装備のG-X
カローラツーリングのボトムグレードがG-Xです。1.8ℓのNAガソリンとハイブリッドの両方に設定があり、ハイブリッドにはE-Fourと呼ばれる専用の4WDシステムが用意されます。
装備充実でアンダー200万円はなし!
トランスミッションはオートマ(NAガソリンはCVT、ハイブリッドは電気式無段変速機)のみで、スタートプライス最安はNAガソリンの2,013,000円から。筆者くらいの世代(まぁ昭和生まれ)だとカローラで100万円台がないのは、クルマも高くなったと実感しますが、エンジンを1.8ℓとしたことや前述したフィールダーが併売されていることも背景にあるのでしょう(フィールダーの最安は1,698,400円)。
引用:https://www.budgetrentacar.co.jp/
そういうこともあって価格に見合った装備は揃っていて、ボトムグレードながら普段使いには申し分ない感じです。
ルックスは足元が少々、15インチスチールホイール+キャップと寂しいものの、GA-Cプラットフォームの恩恵を受けた低く構えたスタイリングと、キーンルックの精悍なマスクは上位と遜色なく、ダーク系のカラー等だとけっこう「カッコ良い」部類に入るのでは。
最新Toyota Safety Senseは標準
インテリアはブラック一色のビジネスライクで地味な印象ですが、装備関連は充実していて、先進安全装備Toyota Safety Senseは標準。代替わりする度進化するToyota Safety Senseですが、今回からレーダーがレーザー式からミリ波レーダーに変わったことでプリクラッシュセーフティは、夜間の歩行者や日中の自転車も検知できるようになりました。
その他レーダー&カメラが進化したことで、車線の中央を走るようにハンドル操作を支援するサポートレーントレーシングアシストや、道路標識をカメラで認識してディスプレイ上に表示するロードサインアシストも付きます。
さらに大きいのは先行車を検知し、車速に応じた車間距離を保ちながら追従走行するACC(レーダークルーズコントロール)が全車速対応となり、完全停止まで対応できるようになったことです。但し、全車速対応には電動パーキングブレーキが必要になるため、G-Xではハイブリッドだけの機能となり、手動式サイドブレーキのNAガソリンは未対応なのが残念です。
ハイブリッドだけの装備をチェック
G-XのNAガソリン車とハイブリッド車の価格差は467,500円にもなりますが、実はパワーユニットやACCの違いだけではなく、以下の通りいくつか装備の違いがあります。
オートエアコンのS-FLOWとは、クルマのどの座席に人が乗っているかをセンサーが感知し、乗っている席にだけ自動空調するシステムです。エアコンの無駄な動作を抑えることで、エンジンから動力への負担が減り、燃費の向上に寄与します。
プラスαの装備で好バランスなS
次に中間モデルとなるSグレードを見てみましょう。パワーユニットはG-Xと同じく1.8ℓのNAガソリンとハイブリッドです。わかりやすくG-Xグレードから何の装備が加わるのかを下記のとおり一覧にしてみました。
エクステリアの変化はわずか
エクステリアの変更はごくわずかで、目に付くのはタイヤサイズが1インチアップしてアルミホイールを装着しているところ。後はフロントロアグリルのフレーム部が黒樹脂からグレーメタリック塗装に変わっていますが、これは言われないと気が付かないかも知れませんね。
さらに見ただけでは分かりませんが、Sグレードならドアミラーがオート格納式&ヒーター内蔵のものになります。さらにさらに車体を覗き込まないと分かりませんが、Sにはエアスパッツとコーナーで発生するロールを抑制するスタビライザーがフロント、リアともに付きます。
従ってSグレードのポイントは外観よりも、装備や素材がワンランクアップすることでしょう。
光るインテリアのブラッシュアップ
安全装備では前項でも触れた電動パーキングブレーキが備わり、全車速対応のACCがNAガソリン車にも採用されます。またペダルを誤って踏み間違えても、ブレーキでサポートしてくれるインテリジェントクリアランスソナーや、バックガイドモニターも標準です。
Sのインテリアでは、ステアリング及びシフトノブがウレタンから本革仕様になり、シート素材は上質なファブリックへと変更。さらにシフトベゼル、ドアハンドル、ドアガーニッシュ、パワーウィンドウスイッチベース等にシルバー塗装やピアノブラック、サテンメッキの加飾が与えられることで、G-Xよりかなりパーソナル感が強調されます。
上級装備に6速MT何でも揃うW×B
最上級グレードになるW×Bは、3つのパワーユニットを持つのが特徴。G-XやSと同じエンジンの他に1.2ℓの直4ガソリンターボを用意します。
6速MTのみのマニアックグレードあり
以下2枚引用:https://www.webcg.net/
1.2ℓターボにはシリーズ中、唯一のレブマッチ機能付き6速マニュアルトランスミッション「iMT」も与えられます。
iMT(インテリジェントMT)は、ギアチェンジの際に自動的にエンジン回転数を合わせてくれる制御機能で、変速ショックを抑えて素早いシフトチェンジが可能となり、発進時のエンストを防ぐレブマッチ機能も付きます。
この1.2ℓエンジンとiMTの組み合わせは、2018年に先行して発売されたカローラスポーツから国内初採用となったもので、カローラツーリングにおいてもスポーティグレードとして位置付けられています。
目力アップで個性が光るエクステリア
W×Bのエクステリアは明確に差別化されていて、まずヘッドライトが3灯式LEDからBi-Beam LEDへと変わります。1灯の光源でハイビームとロービームが切替できるBi-Beam LEDは小型軽量、省電力、高輝度な先進のヘッドライトですが、それ以外にも丸1灯のLEDはヘッドライトの”瞳”感が強調されるため、”目力”の効いたシャープなフロントマスクに貢献しています。
フロントロアグリルにはメッキ+グロスブラック塗装が施される他、グリル内にはLEDフォグランプも装備。全車標準のリヤスポイラーもW×Bならダークメタリック塗装されたものになります。
タイヤサイズも215/45R17と大径化されて、17インチアルミはスポーティにダークグレー塗装仕上げとなり、わかりやすくトップグレードであることを主張します。
メーター&シートで上級グレードらしさ強調
インテリアでもワンランクアップの装備が奢られ、まず目に飛び込んでくるのはドライバーが常に見やるメーター回り。
Sグレードにはメーカーオプション設定の7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイがW×Bには標準となります。アナログメーターがオプティトロンメーターに変わることと併せ、高い視認性とクールなグラフィックが先進性を感じさせます。またカラーヘッドアップディスプレイは、W×Bだけにしか用意がないオプションです。
次いでこちらも常にドライバーが接することになるシートですが、W×Bはスポーティデザインになり、素材も合成皮革とレザテックによるコンビシートへグレードアップ。レザテックとは織物に合皮の質感を付与したもので、基本ファブリックなのですが加工により革の質感も併せ持つシート表皮です。何か言葉で説明するとわかりにくいですね。
引用:https://driver-web.jp/
シートでいえばW×Bだけにメーカーオプションでホワイトカラーのコンビシートが選択できます。ハッチバックのカローラスポーツにはタンやレッドのシート色が設定されていますが、ツーリング(及びセダン)ではこのオプションが唯一のカラーシートになり、色々と付加的な機能もセットされますのでおすすめします。
なお、カローラツーリングのオプション関連については、別ページとなりますが特集していますので、そちらもぜひご覧ください。
G-Xも悪くはないけどおすすめは?
先代カローラは”取り回しのしやすさ”とか”燃費性能”ばかりが美点として評価されてきた印象がありますが、新型については様々なメディアの車評はどれも”走り”に関するところにプライオリティが置かれています。
引用:https://www.webcg.net/
それはフットワークであったり、シャシー剛性の高さであったりといくつかの評価軸はあるものの、全ては新開発思想たるTNGAに基づくプラットフォームの実力によるものでしょう。
ゆえにこれまでのカローラが切り離すことのできなかった”大衆車”、何なら”業務用車”的な視点からベストグレードを考えるのは違う気もします。もちろん絶対的にはフツーの小型乗用車、もとい普通乗用車というポジションではありますが、5ナンバーの先代カローラを併売していることからも新型の立ち位置を察せます。
アンダー200万ならG-Xが魅力的だが
引用:https://www.webcartop.jp/
前置きが長くなりましたが、カローラツーリングをパーソナルな使用環境前提でおすすめグレードを考えたときには、やはり中間のS以上になります。
もちろんG-Xも悪くはなく、実際筆者の勤務先の営業車は今年からこのG-Xを使用していますが、仕事で使う分にはACCが全車速対応でなくとも気にならないし、NAガソリンながら燃費もいい。カラーが紺なため、駐車場で眺めても「営業車感」をほとんど覚えません。
自分で買ったわけではないので、偉そうなことは言えませんがネックは価格でしょうか。先の話しと多少矛盾を感じますが、カローラのボトムエンドで200万円を切らないのは少し残念。出来がいいだけに「このクルマがアンダー200!?」というサプライズが欠けているかなと。
お得なG-X「PLUS」が追加発売
メーカーもその点を察してか、今年の5月にG-Xの特別仕様車「PLUS」を追加しています。
G-Xの36,300円アップで以下のような特別装備が付くグレードですが、それでも結局200万円超えるならいっそ上のグレードに行ってしまうのではないかと思えます。
新型ハリアーがムリくりにアンダー300万円のグレードを設定しているのだから、カローラツーリングのG-Xには価格訴求車としての役割が必要ではないでしょうか。
おすすめはNAガソリンのW×B!
以上のようなフリからご想像されるかも知れませんが、同じ200万円を超えるならW×Bグレード、エンジンは最も安価な1.8ℓNAガソリンモデルをおすすめします。
引用:https://www.goo-net.com/
1.2ℓガソリンターボは前述の通り、6速MTだけの特殊なモデルですし、ハイブリッドは4WDが必要なら選ばざるを得ないですが、そうでない場合は年間走行距離との相談ですね。
年間1万km超えならハイブリッドも
ハイブリッドはエコカー減税等の優遇措置を差っ引くと、大体NAガソリンより35万円位高額。カタログ数値から計算するとNAガソリンの燃費(14.6km/ℓ)はハイブリッド(29km/ℓ)の半分程度なので、125円/ℓとした場合だと1kmあたりそれぞれ8.5円と4.3円。そうすると35万円の価格差は走行距離83,000kmほどで回収になります。2回車検受ける乗り方なら、やはり年間1万キロ以上走る人で元が取れますかね。
引用:https://www.webcg.net/
ECO・NORMAL・SPORTの3つの走行モードを切り替えられるドライブモードセレクター等、ハイブリッドだけの装備もありますが、基本は走行距離で考えればいいでしょう。
価格差以上の満足度があるW×B
SよりW×Bの方を推す理由は、価格差に対するコスパが優れていることです。例によって筆者の主観で恐縮ですが、Sグレードを選んでも絶対選びたいのが7インチのディスプレイが付くオプティトロンメーターです。
先にも述べましたが、メーターほど目に触れる機会が多い箇所もないと思いますし、瞬時に情報を読み取る必要のあるインフォメーションディスプレイのサイズは、大きいに越したことはありません。
引用:https://web.motormagazine.co.jp/
標準の4.2インチディスプレイは(G-Xが社用車なので)仕事でいつも眺めていますが、やはり小さいなと感じています。
そうするとSグレードにオプティトロンメーターをメーカーオプション選択すると、それだけで77,000円ですから、W×BとSの差額148,500円(NAガソリンのとき)の半分以上が埋まる計算です。
だったら残り半額分で17インチタイヤ+アルミ、ディテールが冴えるエクステリアと、ステッチや加飾パーツで質感アップのインテリアが手に入るわけです。W×Bにはメーカーオプション22,000円のLEDフォグが標準なことを考えれば、実質差額は5万円程度。お得ですよ、W×Bは!イチ推しです。
まぼろしの2.0ℓエンジン搭載グレード
最後に(今のところ)もう新車購入はできない特別グレードがあったのをご紹介します。
今年6月に特別仕様車「2000 Limited」が限定500台で発売されました。目玉はTNGA思想に基づいて開発された2.0ℓ直4DOHCのダイナミックフォースエンジンを、日本版の歴代カローラシリーズの中で初搭載したことです。TRDの特装車を除けば、もちろん”史上最強のカローラ“となります。
引用:https://bestcarweb.jp/
エンジンだけでなく、装備も10速のパドルシフトやシルバールーフレール、専用ボディカラー、専用インテリア、専用アルミホイール、専用9インチディスプレイオーディオなど専用品のオンパレード。これで価格はハイブリッドW×Bよりも安いとキテますので、速攻完売となりました。
トヨタがどこまでこの状況を読んでいたかはわかりませんが、マイナーチェンジで2.0ℓの設定もあり得るかも知れませんね。
引用:https://www.webcg.net/
以上、カローラツーリングのおすすめグレードをご紹介致しました。
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