後悔しないために確認しておきたいスズキスペーシアギアの不満点4つ+α
最終更新日 2024/6/3
諸説あると思いますが、筆者の記憶ではSUVが広く認知されてきたのは80年代頃。もちろん当時はパジェロなど”クロカン”(クロスカントリー車)と呼ばれる本格四駆が基本でしたが、その後ジャンルの発展と共に乗用車ベースのクロスオーバーが台頭し、総じてスポーツ・ユーティリティー・ビークル、SUVとして括られる格好となりました。
そうした背景もあってSUVは非常に間口の広いジャンルとして確立されていますが、まさか軽自動車にまで飛び火してくるとは、当時は思いもよらなかったですね。
引用:http://www.chiaki.co.jp/
本稿の主役となるスペーシアギアは、スズキのスーパーハイトワゴン「スペーシア」の派生モデルになります。そのスペーシアは、全国軽自動車協会連合会による2020年上半期販売台数がN-BOXに続く第2位を獲得。スペーシア自体はデビュー後3年が経過しているにも関わらず、2019年にフルモデルチェンジしたばかりのタントを抑えての売れ行きです。
もうお気付きでしょうが、スペーシアの実績には2018年に追加された「ギア」の台数が含まれており、販売の現場ではスペーシアギアの受注がブランド全体の実績を引き上げている状況です。
引用:https://www.car-and-driver.jp/
今回のクルドラでは、スペーシアギアのユーザーを中心とした様々な口コミ情報を徹底チェック。好調ギアにウィークポイントはあるのか?見え隠れするマイナスポイントを洗い出し検証していきますので、ぜひ新車購入時の参考にしてください!
目次(タップで飛べます)
スペーシアギアのプロフィール
スズキスペーシアギアは、前述のとおりスペーシアをSUV的な文法で仕立てた派生モデルなため、果たしてSUVと言えるのか?的な声もあるようです。
特にスズキは伝統の軽クロカンであるジムニー、軽クロスオーバーに切り込んだハスラーと、人気と実力を兼ね備える気合いの入ったモデルを擁するメーカーだけに、スペーシアギアは”流行りを追っただけ”と映る方がいるかも知れません。
実際、クルマとしてのディメンションはノーマルのスペーシアと変わりなく、いわゆるディパーチャーアングルや最低地上高といったSUV的数字に拘りは伺えません。スズキとしては、そこはジムニーやハスラーの守備範囲と割り切り、スペーシアギアについてはスーパーハイトワゴンの美点である室内空間をよりアウトドア志向へシフトさせています。
引用:https://autoc-one.jp/
例えばシート表皮の撥水加工やラゲッジフロアと後席シートバックの防汚仕様等々。純正アクセサリーでバックドアネットやカータープも用意されていて、旅先にそれなりの設備のあるオートキャンプ場を選べば、十分週末アウトドアの相棒になるでしょう。
険しい悪路にこそ挑めませんが、車内スペースの狭いハスラーよりもスーパーハイトワゴンのギアは、きっと”家族ウケ”も良いに違いありません。
外観もSUVアイテムを随所に散りばめ、多くの車種がひしめく軽ワゴンの中で強い個性を放つ点も魅力です。
スペーシアギアの不満点を確認
2018年末にデビューしたスペーシアギアは早くも1年半が過ぎ、2020年の8月には年次改良も実施され、夜間の歩行者を検知するデュアルカメラブレーキサポートとSRSカーテンエアバッグの標準装備化に加え、全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロールも新たに採用しました。
実は口コミの中には、これらスズキセーフティサポートの充実を望む声がけっこうありましたが、今回の一部改良により実現しました。現ユーザーさん達は少し複雑でしょうか?
従って口コミにあったご意見の中からは、それらを除いたものをピックアップしてご紹介していきましょう。
①スーパーハイト系軽自動車の悩みは共通
スペーシアギアはSUVらしいエクステリアを纏(まと)っていても、スペーシアがベースのスーパーハイト系ワゴンなのは間違いなく、そのジャンル特有の課題は変わりません。
ちなみに現在の軽自動車ジャンルを区分すると以下のようになります。
スーパーハイト系とは車高が1700mmを超えるモデル群を指し、今や軽自動車販売の中心と言っても過言ではありませんが、高い車高によるメリットはもちろんあれど、デメリットも存在します。スペーシアギアにも以下の通り口コミが上がっていました。
「ハイトワゴンだけあってカーブやコーナーでのロール感はそれなりにある。特性を理解して乗る必要があるし、タイヤ選びなどである程度解消できないか検討中」
「唯一強風に弱いのが難点だが、これは背の高い軽自動車の宿命か。特に高速道路走行中は横風や大型トレーラー等通過時に発生する気流により簡単に流される」
「足回りがノーマルと同じなので、悪路は当然ふらつく。アウトドアライクなのは外見だけだから。わかっていても車体の重量と大きさに対して、足回りは物足りない。街中の低速走行では特に問題ないが、高速走行時には簡単に風に煽られてしまう」
引用:https://carview.yahoo.co.jp/
「改めて感じるのは風に弱いこと。ステアリングが取られやすく、手に汗を握るドライブになる。ギアに合うフロントスポイラーがほんとに欲しいが、デザイン的に厳しそうで多分販売されないだろう。ふらつき予防のセンサーは、相変わらず過敏に反応してうるさい」
「フロントガラスが直立に近く前方に離れているので、信号待ちの時、先頭で停止線に止まると信号が見えなくなってしまうことが多い。この車だけの悩みではないかも知れないけど」
いずれもスーパーハイト系あるあるの代表的な意見です。他にも背が高すぎて洗車がしにくい、とかね。
最新支援デバイスも過信は禁物!
引用:https://lotopia.net/
筆者もレンタカーで現行N-BOXをドライブして高速を走りましたが、風も強く少々ヒヨっていましたので、追い越し車線はほとんど使いませんでした。半面、一般道ではそこまで気を使った記憶もないですけど。ただ最後の口コミの「信号見えないあるある」は体験済み。
スーパーハイト系軽に限らずですが、クルマで「急」の付く動作はNGなのが当たり前、ましてや背高軽自動車は、ローリング・ピッチング・ヨーイングといったクルマの挙動変化が大きく出るもの。軽自動車を含めた最近のクルマは、横滑り防止機能やトラクションコントロールなど走行支援機能が実装されていて、最適なトラクションや無駄なタイヤの空転を抑えてくれるようになりました。
それでも物理の法則を超えての挙動まではカバーできませんから常にステアリングやペダル操作は慎重に行きたいものです。
引用:https://k-smile.jp/
②わかっちゃいるけど、それにしても・・・
不満点の口コミで目に付いたのは、車両本体価格の話し。これはクルマの性能や機能とは別次元のことだと承知していても、実際に購入を決断する重要なポイントであるのは間違いありません。特に軽自動車の魅力は税金等の安さもありますが、車体価格も登録車に比べればリーズナブルであることを期待してしまいます。
ただそれも昔の話となったのでしょうか、スペーシアギアの価格については以下の通り口コミが上がっています。
「欲しいオプションを全て付けた結果250万円を超えた。値引きで230万円台にしてもらったが、軽でこの価格はやはり少々高い」
「唯一の不満は価格が高いこと。確かに昔と比べると”軽”と呼ぶのが申し訳ないくらいの装備と完成度。但し、人によりニーズも違うので、何でもかんでも標準装備されるのは選択の自由を奪われたような気もする」
「ターボ付きとはいえ、ヘッドアップディスプレイ目当てで純正ナビ等一通り付けると、どうしても200万円オーバーなので安くは無い」
「ことさら上質感を求めてはいないが、インパネのシルバー加飾など返って安っぽさを出している。またウィンドスイッチ周辺の樹脂パネルに成型時のバリが残っていた。200万円以上出してバリはないんじゃないかと思う」
10年前のモデルと価格を比べると
確かに最近のクルマは高くなったという話はよく聞かれます。安全や運転支援の装備が充実していることは理解しやすいですが、実態はどうなのでしょうか。
10年前と現在とで価格を比較してみると、例えば近似のグレードを選択した普通のスペーシア(2020年)とスペーシア前身のパレット(2010年)で比べると価格上昇率は約7%です。スペーシアはマイルドハイブリッドであることも考えれば、思ったほど価格上昇はないようにも感じますが、これが先進装備のスズキセーフティサポート付のスペーシアと比べると、一気に14%の値上げとなります。
やはり先進装備分の価格が上昇しているようです。加えて軽自動車はもともと原価率が高く、台当たりの利幅も小さい価格設定がされているため、装備が上乗せとなる分はストレートに価格に反映されます。
価格設定に選択肢がほしい!
とは言え口コミにもある通り、スペーシアギアはグレード展開がターボのある・なししか設定がなく、メーカーオプションも全方位モニター用カメラパッケージの一つだけと、ある程度”全部盛り”を買って下さいと言われているような感じです。
引用:https://motor-fan.jp/
加えてMOPの全方位モニターを使うためには、ディーラーオプションで純正ナビを買わなければならないという囲い込みの徹底ぶり。もう少しユーザー側の選択肢を増やして、必要のないものへの出費が抑えられるような展開もお願いしたいところですね。
ちなみに別ページとなってしまいますが、スペーシアギアのオプション紹介記事をアップしていますので、そちらもぜひご参考に!
⇒スペーシアギアのオプションを徹底調査!おすすめアイテムとナビはどれ?
③ギアの燃費はそれほどでも?
軽自動車に求められる経済性は多岐に渡りますが、中でも「燃費」は外すことはできないでしょう。そもそもエンジンが小さい、車重も軽いと来れば燃費に期待しない手はありません。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/
スペーシアギアもカタログにはターボもNAも20km/ℓ近い数字が記載されていますが、果たしてユーザーさん達の評価はどうでしょうか。
「意外とダメ。16km/ℓくらい。前車のエスクードツーリングでは15km/ℓ行ったので、ほとんど変わらない」
「ハイブリッドの名前に飛びついて嫁に購入を勧めたが、実際の燃費は通勤メインで10km/ℓ位と期待外れ。運転してみるとモーターアシストは動き始めがメインで、加速中のアシストには条件が付くためほとんど動作せず。以前乗っていたムーブは一回給油すると1か月以上走ったが、今は月二回のペース」
「スズキのハイブリッドの特性なのかモーターアシストが加わる時にタイムラグがあり、ふわふわ感がある。ターボなのでパドルシフトが付いているが、使用するとアイドリングストップが効かないため燃費が落ちる」
「基本的に街中でしか走らないというもあるが、暑い時期にエアコンをつけるとリッター13km台にまで落ちる。エコ・スコアと言う採点機能があり、毎回95点前後を記録しているのに燃費は良くならない」
引用:https://nboxforlife.com/
EV走行できないマイルドハイブリッド
ハイブリッドも今や”普通”となった時代ですが、おさらいしておくと機構としては2種類あり、ストロング方式とマイルド方式に分けられます。前者はプリウスやフィットに採用されている比較的大きな電池とモーターで、エンジンを停止した状態でも蓄積した電気で走行できるタイプ。対してスズキで採用しているのは後者のマイルドハイブリッドです。
こちらは小型の電池とモーターでアシストします。始動はモーターで走り出し、加速時などにもモーターがエンジンをアシストしてくれ、減速時には回生しバッテリーへの充電も行なっています。
引用:https://car-me.jp/
構造がシンプルなため、低コストで導入できる点もマイルドハイブリッドの魅力ですが、EV走行ができるわけではないので、通常のハイブリッド車ほどの低燃費は期待できません。
マイルドハイブリッドの採用は拡大傾向
それでも未だ軽自動車でハイブリッドを冠するモデルは少ないため、ハイブリッドと聞けばそもそも燃費の良い軽自動車が「さらに・・・」と期待してしまうのも人情ですよね。
過度な期待はできませんが、メルセデスベンツやアウディなど輸入車でもマイルドハイブリッド採用のモデルは増えてきており、ハイブリッドの新潮流となる可能性が出てきました。国産車ではスズキに一日の長はあり、今後の進化はさらに期待できると思います。
④インテリア関連での不満点多し!
スペーシアギアのエクステリアは写真の通り極めて個性的で、好き嫌いはハッキリしそうなため、ユーザーとなった方々にしてみれば”ベタぼれ”状態でしょう。
それに対してインテリアに関しては、わりと口コミに苦言が目立ちました。もちろん基本軽自動車に対して”高級感”だの”豪華さ”だのを求めているような内容ではありません。
いくつかピックアップすると以下のような内容です。
「内装は黒系でまとめているが、ハードプラ素材を多用しなければならない軽では適当なのかどうか。実際プラスチッキーな箇所は、傷がつきやすく黒だとよく目立つ。特にスズキはこのあたりが弱い気がする」
引用:https://kuruma-news.jp/
「運転席側のドリンクホルダーの位置は遠く使い勝手が悪い。また助手席側のドリンクホルダーも使用時はけっこう飛び出しているのでジャマ。運転席・助手席のホルダーの構造が逆ならよかった」
「助手席側エアコン吹き出し口に、社外品のドリンクホルダーを取り付けるとグローブボックスのフタに干渉して開けられなくなる」
「運転席周りの収納箇所が多い割には、収納できる量はあまり多くはない。これだけの数の収納がありますアピールだけで、実用性が乏しいのは残念」
「マイナス点としては、助手席前のツールボックス風の物入れは少々改善の余地あり。もう少し開口部が大きく開くようにして欲しい。またツールボックス風デザイン自体は良いのだが、手前に向かい傾斜がついているため、ポンとモノを載せておくことができない」
引用:https://pre.car-mo.jp/
「使い慣れたケンウッド社製のナビが純正アクセサリーで用意があるのに、同社ナビだとメーカーオプションの全方位カメラを付けられず、同様にセットオプション化されているヘッドアップディスプレイも諦めなくてはならない。せめて純正品は全て対応にして欲しい」
織り込み済みの使い勝手⁇
少しググりますと、運転席カップホルダーの位置についてはノーマルのスペーシアを含めて不満は多いのがわかります。可笑しいのはカタログ等で運転席側のカップホルダーを紹介していないところ。いかにたくさんの収納があるかをアピールすべきところですが、そこはメーカーもわかっているのか、それともフロントドアポケットのペットボトルホルダーでカバーしているから良しとしているのか。
引用:https://www.webcg.net/
インパネアッパー部の物入れは、ツールボックス風のデザインがイカすので、多少容量が減っても、上にモノを載せられなくてもあえて角度を付けて”魅せる”ようにしているのでしょうね。
純正ナビならどれでも対応して欲しい
スペーシアギアは今どき珍しいくらい純正ナビのラインナップが揃えられているのに、肝心の全方位モニター対応ナビがパナソニックとパイオニア製に限定されるのはなぜでしょう。
口コミにはケンウッド製のことがありましたが、純正ナビの中でもっとも高価なクラリオン製9インチの大画面ナビが全方位モニター対応でないのは疑問です。
引用:https://response.jp/
細かいご指摘アレこれ
まとまった数ではないものの、ユーザーの母数が多いスペーシアギアには、気になる少数意見も聞かれます。クルマの個体差もあると思いますが、以下の通り気になったものをいつくかご紹介しておきます。
え?これが無いの??
「納車されて気が付いたが、標準装備の時計が無い!速度メーター横にマルチインフォメーションディスプレイがあり、燃費採点のエコスコアとかアイドリングストップの時間とか要らないものを表示するぐらいなら時計を表示しろ!と言いたい。ライバル車を見ても時計が無いのはこの車だけ。ナビもしくはオーディオに時計表示の用意があるとはいえ、こんなものくらい見やすい位置に標準とすべき」
引用:https://twitter.com/noppinopi
スペーシアギアは時計もないですが、タコメーターもないとボヤく口コミが意外とありました。実際にはこれら二つともにメーカーオプションの全方位モニター用カメラパッケージにセットされるヘッドアップディスプレイ(HUD)でカバーされているようですね。
このHUDが口コミでは、見やすく機能的だとけっこう評価が高いです。メーカー的にはこちらを付ければ、全て解決!ということなのでしょうけど、セットオプションは要るもの要らないものが出てくるので悩ましいですね。
気になる異音に悩むユーザーは多い?
「フロントガラスから風の音がピューピューと鳴り、ディーラーで何度も診てもらうがなかなか直らず。フロントガラスの付け直し、左右の三角窓の交換までしてもらったが、それでも完治せず。他にも新車なのにドアノブの建て付けが悪く、ガタピシ音が出て直してもらった」
「ドアミラーの所からの風切り音がうるさい。65~70km/h辺りから風の具合によってヒュルヒュルと鳴る。鳴っている時にミラーを畳むと鳴らなくなることと、ミラーの下の方に指を突っ込むと止むことから、ミラー周りに原因があるのかとは思うが現状放置中」
たまたまでしょうか「風切り音」について2件の口コミがありました。発生場所が違うようなので要因は異なるのでしょうけど、「スペーシア、風切り音」で検索するとスペーシアカスタムなどでも似たような症状を訴えている方が多いのが分かります。メーカー、ディーラーも個別に対応しているようですが、Aピラー周りのパッキン交換で収まるケースが多いようです。現在放置されている方も、積極的にディーラーへ働きかけるのが得策です。
色の好みは人それぞれですが
引用:https://www.kurumaerabi.com/
「ボディカラー別でもいいので、アルミホイールの定番シルバーは入れてほしい。全車真っ黒ホイールは、好みの分かれるところではないか」
「2トーンボディカラー推しのようなカラー設定だが、個人的にはどれも微妙なため、消去法でブラックパールを購入した。鉄チン風アルミホイールのデザインは良いのだが、ボディカラーと同色系になり全身黒ずくめとなってしまった」
まあ掲題の通り好みはそれぞれですから何とも。筆者の個人的な感想なら、スペーシアギアの黒いアルミホイールは、センターキャップのコーディネートも併せとても良いと感じますけどね。
引用:https://twitter.com/aono_6_go/
以上、スズキスペーシアギアの不満点をいくつか検証してみました。
この記事を見てくれた人には新車購入時に絶対損をしてほしくないので、どうやって騙されずに値引き交渉すればよいのか、次の記事でチェックしてみてください。
スペーシアギアを安く買うには下取り車を高く売ることがカギ
新車を買うときに、下取り車があるならさらにオトクに購入可能です。
下取り車をそのままディーラーに出してしまうと、相場よりも安く買いたたかれてしまいます…。
査定額の相場を知らなかったばかりに20~30万も損をした人がたくさんいます!
自分の愛車の査定相場を知っておくためには「ナビクル車査定」が最適です。
最大10社の査定が無料で受けられて、しかも入力はたったの45秒で完了。