ヤリスクロスのおすすめグレードを比較して検証!ベストバイモデルはどれ!?
最終更新日 2021/10/9
2020年も後半戦に入りましたが、自動車業界においては新型感染症の影響は大きく、どのメーカーも業績は厳しいものに感じられます。そんな中にあっても独り勝ちの様相を見せているのがトヨタではないでしょうか。
実際、今年に入って明るい話題と言えば2月にライズが爆売れで”オーダーストップ”が掛かったとか、6月には同じくRAV4 PHVが搭載するバッテリーの生産能力が追い付かないほどの売れ行きで2020年度分が完売したとか、新型ハリアーが発売1か月で目標販売台数の14.5倍を受注したとか、まぁトヨタ・トヨタ・トヨタで嬉しい悲鳴を上げているようです。
他にも地味にヤリスやカローラツーリングの売れ行きが絶好調なのは数字に表れていて、独り勝ちもいいところですが、ここへ来ても手を緩めることはありません。
あの大トヨタにして持ち駒がなかったBセグメントSUVへついに、小さな大物「ヤリスクロス」を投入してきました。
言わずもがなですがこちらも販売は、先行予約だけで約12,000台を突破。当初の月販目標4,100台の3倍となり、9月上旬時点での納車時期は人気のハイブリッド車で最大4か月待ちだといいます。
引用:https://biz-journal.jp/
今回のクルドラでは、そんなことで皆さん落ち着きましょう!との気持ちも込めヤリスクロスを実際に購入する際、選ぶべきベストバイグレードは何かを徹底、比較検証していきますので新車ご検討時の参考になれば幸いです。
目次(タップで飛べます)
ヤリスクロスのプロフィール
トヨタ初のBセグ本格SUVとなるヤリスクロスは、今年2月に先行して発売されたハッチバック車のヤリスと基本コンポーネンツを共有しています。とは言えよくあるようなハッチバック車の車高を上げて、大径タイヤとオーバーフェンダーでドレスアップしたようなお手軽モデルではなく、エクステリアはルーフアンテナ以外すべて専用設計。
引用:https://autos.goo.ne.jp/
ヤリスと言うよりはフロントがRAV4、リヤがハリアーにインスパイアされたようなデザインです。
コンパクトモデルながら、4WD車には悪路走破性能を高めるマルチテレインセレクト、ダウンヒルアシストコントロール、SNOWモードなども実装され、けっして雰囲気だけのSUVではありません。
一方、インテリアの方はヤリスとの部品共用は多岐に渡っていて、コスト面での妥協はここに集約されているような感じもあります。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
パワートレーンやトランスミッション関連もヤリスと共通の1.5ℓガソリン車と同ハイブリッド車という展開ですが、ヤリスクロスには1.0ℓエンジン及び6速MTの用意はありません。
ヤリスクロスのグレード構成をチェック
ヤリスクロスのグレードと価格を一覧にすると以下の通りです。X、G、Zというグレード名はハッチバック車のヤリスと共通の設定で、昨今のトヨタ車の例に漏れずグレード構成はシンプルな展開になっています。
それでは各グレードをチェックしていきましょう。
確かに安いのは安いのだけど・・・X”Bpkg”
ヤリスクロスのボトムエンドは、ガソリン車だけに設定があるX”Bpackage”です。こちらは何と言っても価格が1,798,000円とアンダー180万円を達成しています。近頃はスーパーハイト系の軽自動車でもこの位しますから、驚きの低価格です。
もっとも価格は魅力なれど、マイカーとしての購入なら全くおすすめできません。
引用:https://www.cmibaraki.jp/
ご承知の方も多いでしょうが、トヨタ車のBパッケージは「Toyota Safety Sense」を取っ払ったグレードで、法人需要やレンタカーでの販売を見越したモデルとよく言われます。
それらには先進安全装備は要らないのか?とも思いますが、イマドキのクルマを買うのにそうした装備がないことは考えにくく、もうひと踏ん張りしてXグレード以上を狙いたいところです。
基本装備充実で驚きのロープライスXグレード
マイカー候補としては、Toyota Safety Senseを標準装備する上に7インチディスプレイオーディオ、LEDテールランプ、フルサイズSRSエアバッグ、インテリジェントクリアランスソナー、先行車発進告知機能、スマートエントリー&スタートシステムなど基本+α程度には装備の揃うこのグレード以上でしょう。
引用:https://chiba.corolla.co.jp/
そんなXグレードは、さすがに上位グレードと比較すれば細かく装備を切り詰めているのが伺えますが、それでも価格は1,896,000円と200万円を大きく下回ります。
お求めやすさ+装備でライバル圧倒
これは同じBセグSUVを持つライバルメーカーにとっては、相当な脅威となる価格設定に違いありません。
まずホンダヴェゼルや日産キックスには200万円切りのモデルがありませんし、唯一マツダCX-3のボトムグレード15Sがほぼ同価格ですが、あちらは設計年次の古さもありレーダークルーズコントロール(ACC)が全車速追従対応になっていません。
引用:https://tesdra.com/
Xは普段使いなら何不自由のないグレードと言えますが、不足があるとすればシートの質感が若干上位グレードより劣ること、スピーカーが2個しかないこと、LEDヘッドランプやアルミホイールはオプションで別に購入しなければならない等でしょうか。
200万円超えながら買い得感の高いGグレード
次に中間モデルとなるGグレードを見てみましょう。
ヤリスクロスに限らずどんなクルマでも、中間グレードと言うのは”お得感”が強いものです。ベーシックでは物足りないがトップでは過剰な気も、と感じる方は多く「ちょうど良い」線を突いてくるのがヤリスクロスならGグレードです。
引用:https://www.netz-takasaki.com/
GのエクステリアはXに比べて大きな変化はなく、アルミホイールが付くこととUV&IRカット機能付グリーンガラスが装備される程度です。
それに対しインテリア装備の充実度は高くメッキダイヤルのオートエアコン、本革巻きで加飾付きのステアリングホイール、1サイズアップした8インチディスプレイオーディオ、6スピーカー、ヘッドレスト別体シート、4:2:4の分割可倒式リヤシート、インパネ及びセンターコンソールのピアノブラック塗装などが標準装備化されます。
メーカーオプションも充実で高コスパ
またXグレードよりメーカーオプションの選択肢が一気に増えます。例えばツートンのボディカラー、ルーフレール、18インチアルミ、ハンズフリーパワーバックドア、ブラインドスポットモニター&リヤクロストラフィックオートブレーキが選べる他、Gグレードだけのメーカーオプションとして運転席イージーリターン機能があります。
これは自分好みのシートポジションを記憶させておき、乗車の際にメモリーレバーを操作して記憶したポジションに簡単に戻せる機能です。ご家族に複数の運転者がいるときなど便利なオプションです。
全て書ききれませんが、計20点もの変更・追加箇所があります。これでXとの価格差(FF、ガソリンの場合)は124,000円です。実際は60,500円のアルミホイールがGには標準なのでXにオプションで付けることを想定すれば63,500円差になります。そう考えると変更箇所のボリュームを見ても、Gグレードのコスパは相当に高いと言えます。
トップ・オブ・ヤリスクロスのZグレード
そして最上級のZグレードは、GにオプションだったフルLEDヘッドランプが標準となる他、タイヤ&アルミホイールは2インチアップとなる18インチを装着するなどエクステリアの変更箇所も以下の通り多めです。
もちろん外観だけでなくインテリア面でも、シートは合成皮革+ツィード調ファブリックを使った専用品となります。そのシートとコーディネートしたインテリアカラーは他グレードがブラックなのに対し、Zはダークブラウンとブラックのツートン仕上げとなり、上級グレードらしい華やかさがあります。
筆者の個人的な趣味だけで言うとGグレードのカーキ色+ブラックツートンにに幾何学調エンボス処理がされたシートもワイルドで捨てがたいですけど。
引用:https://autos.goo.ne.jp/
クラス初の6ウェイパワーシートを実現
シートのトピックでいうとBセグメントのモデルでは、ほとんど前例のなかった6ウェイパワーシートがZには標準化されています。これまでの6ウェイパワーシートは背もたれのリクライニング、シートの前後、シートの高さと3つの駆動モーターが必要でしたが、このヤリスクロスでは新しいクラッチ機構を開発し、3方向の調整を一つのモーターで賄います。
これにより軽量化と低コスト化が実現し、Bセグメントへも採用が実現したわけです。
数々の上級装備投入でBセグをブレイクスルー
他にはメーターパネル内のマルチインフォメーションディスプレイが4.2インチから7インチ液晶へと変更されたオプティトロンメーターも目立つところですが、これはRAV4やカローラなど上位モデルとの共用部分ですね。
Zグレードだけのメーカーオプションは、アダプティブハイビームシステム&カラーヘッドアップディスプレイのセットがあります。トヨタコンパクトモデル初搭載のアダプティブハイビームシステムは、片側11個のLED光源を制御して対向車や先行車の幻惑を抑制する他、車速にも連動して照射範囲と光量を調整してくれる優れものです。
アダプティブハイビームに先の6ウェイパワーシート、またオプションのハンズフリーパワーバックドアなど次々に投入される上級装備を見るにつけ、ヤリスクロスはBセグメントモデルのブレイクスルーであると言っても過言ではないでしょう。
上級モデルほど高コスパ?Zグレードは高くない?
各グレードによる装備差を説明してきましたが、装備差に対して価格差を見てみるとエンジンタイプにより若干の差異はあるものの、X→Gへのアップ額が前項の通り約12万円、G→Zへのアップ額が19万円となります。
XとGの差額は装備差を考えれば、Gグレードのお買い得感が高いことはご説明しましたが、GとZグレードではどうでしょうか。
差額は19万円とけっこう開くように見えますが、ZにはフルLEDヘッドランプ(71,500円)と18インチの大径タイヤ&アルミホイール(83,600円)が標準なので、インテリアのグレードアップの他、照明付きバニティミラー、シートバックポケット、LEDアンビエントライトなど数値化できない細々とした違いを考え合わせるとZグレードもG同様に高コスパです。
引用:https://www.gqjapan.jp/
絶対的には高価ですが、Gグレードでメーカーオプションのいくつかに触手が伸びそうな方は、初めからZを選ぶ方がお得な気もしますし、乗り換え時の査定では同装備であっても上級グレードの方が評価は上がるものです。
パワーユニットはどれがおすすめなのか?
ヤリスクロスのグレードによる装備差を確認しましたが、パワーユニットで見た場合のおすすめモデルは何かを考えます。
ヤリスと違いヤリスクロスには1.0ℓエンジンの設定がないため1.5ℓ直3ガソリンエンジン、もしくはそのエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドのどちらかの選択となります。
引用:https://www.goodspress.jp/
1.5ℓガソリンエンジンはTNGAの思想に基づき新開発された、1.5ℓダイナミックフォースエンジンと呼ばれ、高コストな直噴式が採用されていて高出力、高トルクを実現。なおかつ燃費についてはXグレード1.5ℓのWLTCモードは20.2km/ℓなので、ヤリスの1.0ℓエンジンの20.2km/ℓと全くの同数値です。
またガソリン車を選択した場合のトランスミッションは、CVTながら発進用ギヤが追加され、力強い走りが楽しめるダイレクトシフトCVTが奢られるのもセリングポイントです。
他方、ハイブリッドモデルについても先の1.5ℓダイナミックフォースエンジンに、電気系・機械系損失を大幅に低減して出力向上を果たしたモーターを組合せ、ハイブリッド世界トップレベルの低燃費を実現しました。
カタログ燃費ながらWLTCモード30.8km/ℓ(HYBRID-X FF)は驚異的な数値です。
引用:https://response.jp/
前段で価格がライバル車を凌駕するとご紹介しましたが、燃費面でも同じハイブリッド比でヴェゼル21.0 km/ℓ(HYBRID・HondaSENSING FF)、キックス21.6 km/ℓ(X e-POWER FF)なので、ヤリスクロスの圧勝ムードです。
但し、当然ハイブリッドモデルは車両本体価格も高く、1.5ℓガソリンモデルとの価格差は37~39万円近くになります。税金面での優遇はありますが、それでも約30万円の追加費用が掛かります。仮にカタログ燃費でこの価格差を取り返そうと思ったら、年1.3~1.5万キロは走る必要がありけっこうな時間が掛かります。これは裏返せばガソリン車の燃費が良いことも関係しています。
引用:https://www.goo-net.com/
そこまで走らないという場合には、最新ユニットらしく1.5ℓガソリンの燃費もかなりのハイレベルであることから、やはりそちらをおすすめしたいところです。
今回の4WDは魅力マシマシでおすすめ
FFか4WDかについては、各ユーザーさんの使用環境や用途で選択すればよいと思いますが、今回のヤリスクロスでは単純な”生活四駆”に止まらない魅力があります。
ひと口に4WDといっても、メーカー毎に機能は異なり、このクラスだとライバル他車は路面状況をモニターして必要な時に後輪へとトルクを配分される方式。つまり通常はFFで走り、いざとなったら4WDで走行をサポートする形式です。
これに対しヤリスクロスは、状況に応じてユーザー側で任意に制御を変更できる点が大きな違いです。
引用:https://www.webcg.net/
そのポイントになるのが今回4WDだけに新装備された、ガソリン車”ダイナミックトルクコントロール4WD“のマルチテレインセレクトとハイブリッド車”E-Four“のTRAILモードの設定です。
前者は通常のノーマルモードに加え、滑りやすい路面に適したマッド&サンド、荒れたでこぼこ道を走るときのロック&ダートと3種類のモードが選択できる走行支援機能です。モードを切り替えれば前後駆動力を配分する多板クラッチ、四輪独立ブレーキ、エンジン出力が自動で最適に制御され、タイヤの空転が生じない安定した走行ができます。
後者は空転したタイヤにブレーキを掛け、同時に反対側のタイヤへ駆動トルクが掛かるよう制御して悪路からのスムーズな脱出をアシストする機能です。
引用:https://response.jp/
どちらの機能もいざと言う時の悪路走破性が格段に上がるため、アウトドアなどを趣味とする方には心強い味方。
4WDはプラス23万円高ですがこれは競合車と同程度、東京など都市部でも年に数度は突然の降雪に大騒ぎすることもあり、降雪地方以外にお住まいでも4WDを検討してみる手はあります。ぜひおすすめしたい4WDです。
結論は1.5ℓガソリン車4WDのZグレード
取りまとめるとクルドラ的おすすめグレードは、1.5ℓガソリンエンジンのZグレードとしたいと思います。
引用:https://i.imgur.com/
装備的にはトップグレードなのでもちろん申し分ないですが、前項で説明した通り車両本体価格に対しての装備内容はコスパに優れ、一つ下のGグレードにオプション選択していくよう考えたときには、Zなら殆どサービスで付いてくる形になる装備もあります。
またハイブリッド車を見送った分、少し奮発してダイナミックコントロール4WDは選択したいところ。ここが通常のヤリスなら4WDまではどうか、と考えますがSUVであるヤリスクロスにはこの4WDの有用性は十分検討に値します。
先のマルチテレインセレクト以外にもヤリスクロス4WDには、ダウンヒルアシストコントロールやSNOWモードも一緒に装備され、ライバルに比べて本格的な四駆ユースにも応えようとする姿勢が伺えます。
引用:https://motor-fan.jp/
トヨタ自身はヤリスクロスにハードなクロカンスキルを求めすぎないよう、説明会等でけん制しているようにも感じられるのですが、アウトドアシーンでは頼もしい相棒になること請け合いです。
以上、ヤリスクロスのおすすめグレードをご紹介致しました。
この記事を見てくれた人には新車購入時に絶対損をしてほしくないので、どうやって騙されずに値引き交渉すればよいのか、次の記事でチェックしてみてください。
ヤリスクロスを安く買うには下取り車を高く売ることがカギ
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