後悔しないために確認しておきたいアルカナの不満点3つ+α
最終更新日 2024/6/3
日本自動車販売協会連合会の統計では2022年の乗用車におけるハイブリッド車の販売比率は49.0%となり、統計開始後はじめてガソリン車を上回りました。
新車販売のおよそ半数がハイブリッドという市場は世界的に見ても日本だけの状況で、いずれはBEV(純バッテリー車)に収れんされていくとしても、当面ハイブリッドが勢いを失うことはないでしょう。
欧州、アメリカ、中国ではBEVのシェアが拡大中であり必然、新車開発もBEV一辺倒になると思われました。そうした中、フランスのルノーから2019年よりロシアで販売が始まっていたアルカナ(現地名:メガーヌコンクエスト)へ、マイルドハイブリッド及びフルハイブリッドのパワーユニットを与え欧州市場へ投入することが発表されました。
それから約2年後の2022年春期には、フルハイブリッドのみの1グレードという展開で日本への輸入もスタート。追ってマイルドハイブリッド仕様も追加され、現在に至っています。
その間、2022-2023日本カーオブザイヤーの10ベストカーにも選出されるなど、ハイブリッド王国日本においても着実に存在感を増しつつあるアルカナ。
引用:https://www.webcartop.jp/
本稿ではアルカナを実際に所有した方や、体感した方の様々な口コミ情報を徹底チェック。輸入車NO.1の低燃費を誇るクーペSUVに見え隠れするマイナスポイントを洗い出し検証していきますので、ぜひ新車購入等の参考にしてください!
目次(タップで飛べます)
アルカナのプロフィール
引用:https://vague.style/
前述のとおりアルカナは2018年にコンセプトカーがモスクワモーターショーでワールドプレミア、さらにその後ロシア・韓国・欧州・豪州・日本へと各地で展開されますが、仕向け地別に内装や足回り、パワーユニットは異なります。
日本へは欧州仕様と同じストロング&マイルド2つのハイブリッドを用意。PHEVなどはあってもフルハイブリッドという例は他の輸入車にはなく、必然輸入車におけるカタログ値の燃費性能はアルカナがNO.1ということになりました(デビュー当初)。
フルハイブリッド=E-TECHはトランスミッションにF1で培った技術をフィードバックさせたドグクラッチを介し、全て電動化されたことで、WLTCモードは22.8km/ℓをマークしています。
ハイブリッド機構”E-TECH“は業務提携している日産の”e-POWER“などは使わず、ルノー独自で開発されたもの。このタイミングでのハイブリッド投入は、欧州においても市場が完全BEV化されるには、まだまだ一定の時間は掛かる。それならディーゼルに代わるパワーユニットとしてハイブリッドは採算に合うと判断されたもようです。
アルカナのエクステリアはルノーのアイコンとなっている”CシェイプLEDヘッドライト”が際立つフロントマスクに、大きく取られた最低地上高、ワイドなホイールアーチ、大径タイヤ&ホイールを採用する一方、緩やかに傾斜したルーフラインや高い位置に配されたウエストラインで、昨今ムーブメントになっているクーペSUVのルノーバージョンを呈しています。
引用:https://kuruma-news.jp/
インテリアはフルハイブリッド(E-TECHエンジニアード)、マイルドハイブリッド(R.S.ライン)のいずれのグレードも、ルノースポール風仕立てのスポーティな意匠となっています。
装備面でもE-TECHエンジニアードにだけBOSEサウンドシステムやリアスポイラーなど専用品はありますが、それ以外の先進安全装備や快適装備はほとんど同一となっていて、メーカーオプションで別に何かを選ぶ必要もない、両グレードともフル装備のワンプライス設定になっています。
また、2023年夏期には特別仕様車”ENTRACTE(アントラクト)E-TECH”も追加。専用アンダーグリルとブラックルーフの採用により、スタイリッシュな印象がさらにアップしたお得なフルハイブリッドを選ぶこともできます(車両本体価格:4,380,000円)。
アルカナの不満点を確認
ルノーはアルカナをはじめ、メガーヌ/カングー/キャプチャー/ルーテシア/トゥインゴなど小型車を中心に商品を拡充し、2022年の日本国内の販売台数が過去最高を記録(8,615台)。日本で最も売れているフランス車ブランドとなっています。
とは言えドイツ車ブランドなどに比べると絶対的な総台数では、販売店の数なども含めてまだかなりの差があり、単一モデルの登録台数はそれらよりかなり少なく、そのため各種サイト上における口コミ件数もそこまで多くはありません。
他方、アルカナのような個性派モデルは、それなりの見識を持ったユーザーさんが選ぶ傾向があるのか、少ない口コミの中にもそれらをチェックしていくといくつか皆さんに共通する傾向も見付けられました。
本稿ではネガティブな意見の多いものについて、いくつかご紹介していきます。
①インテリアの不満点はココだ!
アルカナの口コミの中でエクステリアに関するものはほとんどなく、やはりあのスタイリングに惹かれて購入に至る方は多かったようです。
クーペSUVの面目躍如といったところでしょうか。一方でインテリアに関しては、運転中常に目に触れる、身体に触れるといったこともあり、厳しめの意見も上がっていました。
各種サイト上におけるインテリア関連のネガティブな口コミについて、以下のとおりご紹介します。
「先進安全などの装備内容からは400万円超え相応の価値はあるように思うが、インテリアなどの一部には200万円台クラスを感じさせる大衆車ルノーの面影が窺える。クルマに価格相応の内外バランスを求める人には向かないのではないか」
「Bセグメントのルーテシアがベースと分かる類似したインテリアでは高級感も少なく、合成皮革のトリムやカーボンルックのパネルもクオリティは低い。Bセグとしてならまだしも、Cセグメントのレベルで評価するなら厳しいと言わざるを得ない」
引用:https://engineweb.jp/
「インテリアのプラスチック感は仕方がないところだと思っているが、ボタン類などにはせめてメッキを使うなどして質感を高めてほしかった」
「最近のフランス車はデザインコンシャスなイメージがあるが、ルノーについてはプジョーやシトロエンと比較すると”やや地味”な印象を受ける。特にインテリアに関してそれを強く感じる」
「後席頭上の空間はデザイン上やむを得ないが、後席の足元はあと少しだけ広いとよかった。またこれもデザイン故だが、後方視界が悪いのが気になる。私は対策でデジタルインナーミラーを後付けした」
スポーティにまとまっているが仏車らしいケレン味は?
インテリアについて質感を指摘する声は多かったですが、反面、ブラック基調のスポーティな内装が良いという意見もあり判断は難しいところです。
プロフィールの項でも触れていますが、アルカナ国内モデルのインテリアは発売当初からルノースポール風のRS系デザインが採用されていて、いわゆるエントリーグレード的な質素な内装は設定がありません。そのため全車が本革ステアリングやレザー×スエード調コンビシート、メタル調パネル、アンビエントライトなど”上位モデル”的なしつらえになっています。
確かに口コミにもあるとおり、近年のフランス車はかなり前衛的でケレン味あふれるデザインが採用されています。プジョーやシトロエン、DSなどいずれも日本車ともドイツ車とも違うテイストで魅せてきますが、それらに比べるとルノー、アルカナのデザインは少し中庸な感じに映るでしょうか。
引用:https://web.motormagazine.co.jp/
しかしその真面目な雰囲気がフランス車でありながら、ドイツ車的な質実剛健さも感じさせ、色気一辺倒でないアルカナの魅力なのかも知れません。
②装備・使い勝手の不満点はココだ!
クルマ全般についてですが、口コミを見て行くと不満項目としてもっとも目に付くのが装備の有無や使い勝手に関する部分。特に輸入車の場合は右ハンドルに合わせたローカライズされる箇所もあり、この項目についての意見が集中する傾向にあります。
さらに海を渡って上陸するモデルは様々なランニングコストが上乗せされることから、価格面での折り合いを考えると装備品もより厳選しておく必要も。とは言えアルカナに関しては、エントリーグレードのない上位モデルだけの構成なので、一通り考えられる装備は”全部盛り”にも映ります。
実際のユーザー諸氏からは装備・使い勝手についてのコメントは以下のとおり並びました。
「クーペSUVの宿命だが、リアウィンドウの傾斜があるため後方視界はよくない。只でさえそうした状況なのに残念ながらリアワイパーの設定がない。そのため雨降りなどはもうリアウィンドウは単なる飾りでしかなくなる」
「この価格帯のSUVとしてはパワーテールゲートの用意がないのは辛い。テールゲートドアを開放すると、かなり高い位置にドアハンドルが来るため、背の低い妻は閉める際にけっこう苦労している」
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
「全体的に満足度は高いが、気になるのはナビ画面が小さいこと。前に乗っていたミニバンにデカイ社外品を付けていたせいもあるが、昨今は軽自動車でも9インチなど当たり前だし、CセグSUVならもう二回りはデカくてもいいのに」
「最新モデルのわりにセンターディスプレイがかなり小さく感じていたところ、欧州仕様のモデルは9インチの大画面であった。なぜ日本仕様は小さくしてきたのか不満ポイント」
「アルカナは運転モードをMy Senseモード、Sportモード、Ecoモードに切り替えができるが、普段は燃費を考えてEcoモードを使っている。しかし一度エンジンを切るたびにモードがデフォルトのMy Senseに戻るため、毎度切り替えるのがホントに面倒くさい」
海外仕様の9インチディスプレイが欲しい
さすがにメーカーオプションを一切用意しない”吊るし”のフル装備グレードだけのことはあり、それほどコレが欲しかった、アレが付いていればというコメントは少なめでした。
それでもリアワイパーや電動式のテールゲートなどを望む声はあり、今後に期待したいところ。今後と言えばセンターディスプレイに関しては、ちらほらとそのサイズ感に不満の声が聞かれ、より大型化が期待されます。
口コミにもありますが、実際欧州で販売されているモデルのディスプレイは9.3インチです。国内モデル標準は7インチなので比べれば差は歴然。
引用:https://www.autocar.jp/
おそらくは日本用ナビシステムへのローカライズなどの関係で9インチを採用できなかったと思われますが、ここはUSB接続での”Apple CarPlay”と”Android Auto”しか使えないと割り切ってでも、大型ディスプレイを希望する方が多いのではないでしょうか。
ディスプレイの大型化はマイナーチェンジのテッパン”ネタ”なので、こちらも今後の改良に期待しましょう。
③走行性能に関する不満点はココだ!
アルカナの口コミをまとめてみると意外や最も不満点が多かったのはこの走行性能に関連する項目です。
輸入車唯一の”フルハイブリッド”をうたうルノー独自の新開発ユニットは1.6ℓ直4エンジン(最高出力94PS)と駆動用モーター(同49PS)、発電用モーター(同20PS)の組み合わせ。いわゆる2モーター式ハイブリッドで、これにギアはエンジン側が4段、駆動用モーター側が2段のドグクラッチが担当します。ハイブリッド走行時にはこれらのギアが縦横無尽に組み合わさって走るF1由来のメカニズム。こうしたセリングポイントを持つアルカナだけに”走り”に寄せられる期待値が高まるのも分かります。
もちろん走行性能にはエンジンフィールなど以外に、静粛性や乗り心地なども重要な評価軸。そうした走りに関する諸々につき、各種サイトでは次のような意見が上げられていました。
「1.6ℓNAハイブリッドなので高速域の加速感は限界点が低い。セールスポイントのように言われる複雑なミッション故に、パドルシフトやシフトチェンジの機能はなく意図としたギアチェンジは出来ない」
「前車メガーヌと比較した場合の問題だけど、正直パワーは少し物足りない。ルノーらしいクルマの走る楽しみを望む人にはちょっとオススメしづらいかも」
引用:https://autoc-one.jp/
「モーター駆動からエンジンに切り替わった時に、エンジンが高回転で暫く回り続けるのが気になる。思わずアクセル緩めてしまうくらいの高回転。タコメーターが無いので、あくまでエンジン音による感覚なのだが…」
「中速域はエンジン+モーターとなるが、個人的にはもう少しトルクフルであって欲しい。高速域は試していないが、中速域のトルク感からすると少々物足りなさを感じるかも」
「エンジンが発電モードになった時に回転数が勝手に高まるので、音などが煩わしく感じる。また、ロードノイズはそこそこ室内に響いてきてそれもちょっと残念」
「中速域以上だと気にならなくなるが、低速域だとフランス車としては若干固めな乗り味。どちらかと言えばフランス車というよりもドイツ車的であり、それっぽい味を期待すると違和感を覚えるだろう」
「エンジン音自体がうるさいのではなく、回転数がアクセル操作と無関係に上下するため、音の上がり方に違和感がある。味付けかも知れないが、0~40km/hまでのEV走行に固執しているようなプログラム。それゆえ発進前の停止状態や40km/h以上でやたらエンジンが稼働し充電している」
「フランス車の宿命か、アクセルペダルが比較的右寄りなので、少しねじれた座り方になる。停止時のブレーキ鳴きも、個体差かもしれないが少し気になっている」
発電に徹する際のエンジンフィーリングは課題
思いのほか広範に不満の種は散らばっていたようです。エンジンのモアパワーや発電のための高回転音、あるいは低速で固めな乗り味やロードノイズなど。
引用:https://web.motormagazine.co.jp/
とりわけアクセル操作に対してエンジン回転が無関係に大きく上下するのは、やはり人間の生理的に違和感が生じやすいポイントのようで、不満に上げる方は多めです。このあたりはハイブリッド車の開発に一日の長がある日本車なら、効率を若干犠牲にしてでもアクセル操作に比例したエンジン制御を重視してきます。和製ハイブリッドとのそうした違いが、アルカナ評に対する要因となっているはずです。
また乗り味に関してもコメントが多かったところですが、アルカナのサスペンションはフロントがストラット式でリアがトーションビーム式。フラットな路面ではさほど感じずとも、荒れた路面などになってくると、Bセグメント的なディメンションであることを感じさせてしまうようです。
その他の不満アレコレ集めてみた
大きくは括れない部分にも様々な口コミが集まっていました。主観的なところ、あるいはクルマの個体差などもあり感じ方は人それぞれですが、何点か興味深い内容もありました。
「ドアを開閉する際の音が安っぽい。失礼ながらまるで日本車かと思ってしまうような軽さを感じる」
「ハッキリと部位を特定できないような内装のきしみ音(ビビり音)が気になる。このあたりは車体はデカイがBセグメント車のように感じてしまう」
「後から発売となった同じエンジンを積むルーテシアに試乗した。車重の違いもあるのかコチラの方がアルカナよりオリジナルを感じさせる走行フィーリングであった。心臓部が同じならやや割高感のあるアルカナよりルーテシアやキャプチャーの方がコスパはいいかも」
引用:https://www.webcartop.jp/
「せっかくのハイブリッドなのに、少量輸入車を対象にした”輸入自動車特別取扱制度”で認証取得されたアルカナは、同じパワーユニットのルーテシアのようにエコカー減税の対象とならないのが残念」
「ルノーF1テクノロジーが生かされているドグクラッチは気に入った機構ではあるものの、今後どれくらい耐久性があるのか、どんなエラーが生じてくるのかが少し気掛かりではある」
日本への投入はいつ?アルカナ・フェイズⅡが発表
もちろん本稿では意図して不満点を抽出しチェックをしてきましたから、それを持ってアルカナのクルマとしての魅力度が低いかといえば決してそうではないでしょう。
本文中にもあるとおり直近では国内で一番売れているフランス車はルノー。日本では日産系列のディーラーでも一部取り扱いがあり、販売やサービスの提供面でも他メーカーより有利です。
アルカナが発売となった以降、ルーテシアやキャプチャーなどにもE-TECHハイブリッドが続々と追加され、もはやアルカナだけのセリングポイントではなくなっていますが、ルノーは次のフェイズを用意しています。
本国では今年7月にアルカナのマイナーチェンジ版となる”フェイズⅡ”を発表しました。
エクステリアはさほど大きな変更は見られず、ヘッドライト内のカラーリングとフロントグリルおよびエアインテークのパターンをメッシュ状に変更したほか、新しいコーポレートエンブレムを採用しています。
マイチェンの目玉は”アルピーヌ”を冠するグレードの登場
トピックとなりそうなのはルノー傘下のスポーツカー部門「アルピーヌ」を冠するグレード”Esprit Alpine(エスプリ・アルピーヌ)”が設定されていること。これは従来のルノースポールに代わる新スポーツブランドとして、今後のルノー車で展開されていくでしょう。
Esprit Alpineにはサテングレーのフロントブレード、シェールグレーのバッジ、リアスポイラー、19インチホイールが採用されています。インテリアでも人工スエードとバイオ由来の素材で構成されるシートに、ブルーのステッチとアルピーヌのロゴが入り、上質感を高めています。
登場から4年目を迎えてのマイチェンですが、日本には現行アルカナが登場してまだ2年も経っていないことから、少し遅れての登場となるはずです。果たしてディスプレイの大型化などへ手は入ってくるのか?
これから期待して待ちましょう。
以上、ルノーアルカナの不満点をいくつか検証してみました。
引用:https://response.jp/
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