後悔しないために確認しておきたいヤリスクロスの不満点4つ+α
最終更新日 2021/10/20
かつてない厳しい経済環境下となった2020年の自動車業界でしたが、その渦中においても横綱相撲で一人勝ちの様相を呈したのがトヨタです。
とりわけSUVジャンルに顕著で、ライズ、RAV4 PHV、ハリアーなどはその売れ行きが新聞紙上で記事になるほどの勢いでした。
本稿の主役となるヤリスクロスもその内の1台です。日本カーオブザイヤーではスバルレヴォーグ、ホンダフィットに次ぐ3位(先行デビューのヤリスハッチバックと追加されたスポーツカーGRヤリスの3台合わせ技)に甘んじたものの、その販売台数は別格。
自販連が集計する2020年度上半期(4から9月)の軽以外の最多販売登録車なったのは79,400台を販売したヤリスハッチバックでしたが、そこへ8月末にSUVのヤリスクロスが追加発売され台数が上積みされます。その結果、見事ヤリスシリーズが2020年の登録車販売台数第1位を獲得するに至りました。
確かにハッチバックの標準ヤリスとヤリスクロスが同じクルマか?との見方もあるでしょう。例として11月のヤリス登録実績では全体が19,921台で標準ヤリスが9,883台、ヤリスクロスが10,038台となりました。車種を分けると今やヤリスクロスが、ヤリスシリーズの本命と言えるかも知れません。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
今回のクルドラでは、そんな無双状態のヤリスクロスを実際に所有した方や体感した方からの様々な口コミ情報を徹底チェック。好調ヤリスクロスに見え隠れするマイナスポイントを洗い出し検証していきますので、ぜひ新車購入の参考にしてください!
目次(タップで飛べます)
ヤリスクロスのおさらい
SUVがミニバンから主役の座を奪い、シェアが拡大する中で今もっとも人気の高いジャンルがコンパクトSUVです。トヨタはこのセグメントにSUVとして初めて車名別販売台数1位を記録したC-HR(2017〜)と、ダイハツからのOEMとなる5ナンバーSUVのライズ(2019〜)を持っていますが、ちょうどその中間に当たるポジションに据えられたのがヤリスクロスです。
引用:https://www.corolla-takasaki.jp/
もちろんその他にもRAV4やハリアー、ランクルと近々投入が噂されるカローラクロスもあり、ちょっと他社では真似のできないSUVラインナップです。
ヤリスクロスは標準ヤリスとプラットフォームやインテリアパーツ、造形に共通箇所が見られますが、ルックスはあえてなのか類似性は皆無。わずかにリヤセクションに似たイメージが伺えますがこちらは3ナンバーであり、あえて”ヤリス風”に寄せている雰囲気はありません。
引用:https://response.jp/
メカニズム面もエンジン等は共通ですが、ヤリスクロスにはガソリン車の4WDにマルチテレインセレクト、ハイブリッド車の4WDにはTRAILモードという路面状況に応じた走行支援機能が装備され、よりSUVらしさをアピールしています。
ヤリスクロスの不満点を確認
デビュー後まだ半年も過ぎていないため、口コミのボリュームはまだそれほど多くはありませんが、チェックしていくといくつか各オーナーさん共通の傾向も見られます。
本稿ではネガティブな意見の多いものについてご紹介していきます。
引用:https://response.jp/
①インテリアの不満点はココ
今回いくつもの口コミサイトを確認してみると、不満点の多くがインテリア関連に集中していることがわかります。何なら全体の半分以上がここに集中しているような感じさえ受けます。細かくその内容を見て行くと・・・
「エクステリアのカッコよさと比較してインテリアにオシャレさがない。内装が安っぽいのはベースがベーシックカーなのでやむなしだが、そこを何とかするのがデザイナーの腕の見せ所ではないだろうか」
引用:https://prius-news.com/
「好みの問題はあるがZグレードの茶系内装は、お安く高級感を出そうとして返ってひどくなっているような気が。シートセンターのツィード調織物も車両キャラに見合った若々しさのない素材感で、Gグレードと共通のブラック系の方がマシだった」
「シートがやや小ぶりなせいか、肩と背中がこる。またフロントシートは固めなのか、前車に比べお尻が痛くなるのが早い。茶色のファブリック部分を汚したくないこともあり、クッションを敷いているが効果はない」
「インテリアは安っぽいの一言。ドアレバーに加飾がないとか、シート間のコンソールにフタがないとかいかにも安い車ですって感じ。オーディオの音質も良くない」
「素材の安さは仕方ないが、使い勝手を踏まえた造形にも一考の余地がある。例えばウインドゥスイッチはドアの前方へ寄っていて、とても押しにくくなっている。また、前車と比べるとドアレバーも低い位置にあるように思え使いにくい。カップホルダーの位置が悪く、ドア側もシート横も使いづらい」
引用:https://maaz-blog.net/
「実用性重視のセグメントにありながら収納は少なめ。サングラスホルダーもないし、収納付アームレストもない(オプションでシート直付け型のアームレストは付けたけど)。助手席下のトレイに車検証入れを設けてグローブボックスを広く使えるようにするなど、少しは最新軽自動車を見習って収納の工夫を盛り込んでほしい」
「このクラスにパワーシートはありがたいが、その調整レバーがドアを閉めて操作すると、どう手のポジション変えてもドア内張に手の甲が当たり痛い(特にリクライニング調整レバー)。女性並みに手が小さい自分で当たるのだから、大きな手の人はスリ傷くらい負うかも」
「Gグレードなので照明が少なく、夜間は常に手探り状態。夜間ドライブのとき運転席以外のウィンドウスイッチと、施錠のスイッチが全く見えず家族に不評。子供がいるので施錠開錠のスイッチはすぐに操作出来るよう照明が欲しい」
収納の少なさと質感には厳しい判定が
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
代表的なところでは上記のような評にまとまる感じです。もちろん色や形状は主観的なところがあるので一概には言えませんが、それでもZグレードの内装色は不満な声が目立ちました。また、標準のヤリスからキャリーオーバーされているドアトリムなどは、ドアハンドル周辺の造形や位置など「実際に使いづらい」と感じる声も少なくありません。
運転席周りの収納の少なさについては、近頃の軽やミニバンで”収納命”みたいな車種も多く、むしろ国産車のお家芸となった感じもあり、要求レベルが引き上がってきたのでしょう。
“安っぽい”という表現も多かったところですが、反面実際安いし仕方ないという擁護派もいらっしゃいます。但し、同価格帯のライバルと目されるマツダCX-3のインテリア質感などを見ると、大トヨタの奢りも感じられなくもないか。
引用:https://www.webcg.net/
質感については欧州仕様のヤリスに見られるシフトレバーのブーツや、ピアノブラック塗装パネル、あるいはグラスルーフの設定の有無など”国内向け”のレベルダウンがなければ少しは違ったのかと思います。まぁマイナーチェンジや年次改良のタイミングで、同じ仕様になる可能性はありますが、現行オーナーさんは悩ましいですよね。
②ユーティリティの不満点はココ
3ナンバーですがコンパクトSUVに括られるヤリスクロスなので、ユーティリティは寸法の制約からむずかしいところがあるでしょう。それでもそこはSUV、やはり標準のヤリスに比べればラゲージルームやリヤシートなどの広さ、ユーティリティに期待してしまうのが人情というもの。
ユーザーさん達の評価は以下のとおり、幾ぶん辛めでしょうか。
引用:https://www.goodspress.jp/
「ラゲージ収納量はカタログ値の 390ℓあるのかな?という印象。C-HRより広いと説明を受けていたが、あちらはデザイン優先なクルマなので理解できなくもないが、ヤリスクロスはもっとイケる気がしていた。ただラゲージ内収納の工夫は色々とされている」
「リヤバックドアがとにかく重いため、半ドア状態になりやすい。自分は不要だと思いハンズフリーパワーバックドアをオプションで付けなかったが、これから買う人はケチらず付けた方がいい。何ならハンズフリー機能(足センサー)は要らないから、パワーバックドアだけでも標準にするべきレベル。女性の方は試乗車などで確認した方がよい」
「ラゲージはデッキボードによって2段底になっているが使い方に苦慮。ボードは左右には別れるが、前後方向には折りたためないので、上段に物を積むと結果下段の物は、気軽に取り出すことができなくなる。あと、ラゲージ床下のパンク修理キットのある周辺には何か消音材等の措置をしてほしかった。ちなみにキャビンに飲み物以上の収納はほぼ無い」
引用:https://dressup-navi.net/
「ラゲージがイマイチ狭いので、すぐに荷室がぱんぱんになる。そうするとバックミラーに荷物が映り込み使い物にならなくなるので、デジタルルームミラーはオプションでもいいから絶対欲しかった」
「リヤシートは狭すぎて窮屈。独身であれば気にしなかったが、ファミリーユースでは厳しいと思う」
「後席はフツーのヤリスよりは着座位置が高くなるため、見晴らしよく解放感はある気がしたが前後席間の実寸は変わらないので、足元が広いわけではない。また、リヤの背もたれがやや立ち気味にされていて、リクライニング機構もないのでくつろぎ感はなく長距離は疲れる」
引用:https://www.kamitake.net/
絶対的な容量はさておき使い勝手に工夫も
数字上では標準ヤリスに比べれば、ラゲージの容量は格段にアップしていて、後席をたたまずにゴルフバックを横に2個積み込めるのがセールスポイントになっています。3ナンバーモデルといったイメージが先行して、つい”コレだけ?“と考える人が多いようです。他にも紹介からは漏れましたが、Cピラーの形状とリヤシート足元の狭さから、乗降姿勢がけっこう苦しいという声もありました。
一方、二分割デッキボードやフレックスベルト(ディーラーオプション)など、日常・レジャーユースでの使い勝手を高める工夫はSUVらしい拘りの機能であり、そこを評価する声も多かったのは付け加えておきます。
引用:https://netz946.com/
③フィーリングの不満点はココ
前述のとおりヤリスクロスのメカニズムはプラットフォームのTNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)から、エンジン、サスペンションやダンパー等足回りに至るまで標準ヤリスと基本共通になっていますが、重心位置が高くオーバーハングに違いもあるため、操安性や乗車感などの点では同等に近づくべく細かなチューニングが施されたようです。
その辺りの評価はどうでしょうか。
「乗り心地については、細かい段差等もしっかり拾ってしまう。シートの質感とも相まって、長距離ドライブには少しキツい。下位グレードのタイヤサイズだとマシになるのだろうか?シートの座り心地がどうしても気になったので、クラッツィオの少し高いシートカバーを購入してみた」
引用:https://www.webcg.net/
「突き上げ感が思ったよりあり、はっきり言って長距離は厳しかった。シートにはクッションを敷くやらのサポートが必要。また、風切り音やロードノイズ、エンジン音も対策が不十分と感じた」
「Zグレードにしたが、タイヤサイズの大きい弊害はかなりある。試乗したノーマルのヤリスより直進性も劣るし、タイヤがブルっとしてダイレクト感や気持ちよさからは遠ざかった乗り味。ステアリングフィールの中立付近の落ち着き感は、圧倒的にヤリスより劣る」
「エンジンフィールはパワーモードで走ると軽自動車の加速音(3気筒なので仕方ないのか?)。ここには心底ガッカリした。また、アクセルオンで1秒後位に息継ぎするのも残念。他にもショートホイールベースゆえのピッチング、ラゲージ部の防音消音処理も合格点とは言えない」
大径タイヤでルックスを取るか乗り心地を取るか
引用:https://car.watch.impress.co.jp/
何となくタイヤサイズに起因するような意見が目に付きましたが、当然タイヤの扁平率が低くなるほど乗り心地は低下し、ルックスはアガるというバーターの関係です。ヤリスクロスでもトップグレードのZは18インチで扁平率50タイヤを履き、その他のグレードより2インチも大きくなるため、その影響は皆無ではないでしょう。車格に対してもオーバーサイズ感はあるかも知れませんが、その分見た目カッコイイのは間違いないですけどね。
ヤリスクロスの屋台骨となるプラットフォームは、トヨタ最新のTNGA思想に基づくGA-B。軽量で高剛性なことに加え、適切な重量配分による低重心がウリです。SUVは概して車重があり、重心位置も高くなるためGA-Bプラットフォームの恩恵がより大きくなります。
素性の良さは折り紙つきですから、今後年次改良と共にさらなる”煮詰め”が進んで行くことでしょう。
引用:https://carsmeet.jp/
➃コストパフォーマンスの不満点はココ
ヤリスクロスの試乗記やモデルレビューを読むと、数ある魅力の中から「価格」を取り上げているものがいくつかあります。曰くホンダヴェゼルや日産キックスに対し、装備補正を行うと18万円位は安いというもの。他社は驚異だろう、とも。確かにガソリン、FFのエントリーモデルなら178万円からと、昨今ではスーパーハイト系軽自動車ともバッティングするのではないか?というキャッチーな価格です。
しかし実際にはToyota Safety Sense(先進安全装備)レスのボトムグレードを”吊るし”で買う人は少数派でしょう。実際の購入観としては以下のような口コミが目立ちます。
「トップグレードはオプションレスなら281.5万円の見積りだが、2トーン塗装7.7万、ルーフレール3.3万、パノラマビュー7.7万、ヘッドアップディスプレイ&アダプティブハイビーム9.9万は別に付けなければならず、車体だけで310万オーバー!これに諸費用、マット等諸々込みで350万オーバー!Bセグメントでここまでいくと高すぎる」
引用:https://www.netz-nishinihon.jp/
「上位グレードを購入させたいのか、下位グレードとの差別化がけっこう露骨。例えばヘッドアップディスプレイとか、欲しいオプションがあっても選択できないなどの制約が多い」
「オプション盛りだくさん仕様(誘導?)は、トヨタさんの”思うツボ”なので”信者”以外はお布施を払い過ぎないように検討して!」
「標準ディスプレイオーディオのソフト再生機器レス化に反発が多かったのか、ディーラーオプションでCDやDVDプレーヤーが購入できるようになった。しかしその他にナビや地デジチューナーを付けると、市販品のハイレゾナビより高額となりコスパが悪い。ライズのようにディスプレイオーディオか、ディーラーオプションナビ(もしくは市販ナビ)の選択ができる方がありがたい」
上・下でしっかり棲み分けるトヨタ的価格戦略
オプション”てんこ盛り”にすると「買い得感」が薄れるというコメントが多いようですが、ヤリスクロスの価格には実にトヨタらしい上手な値付け戦略も見て取れます。トヨタはディーラーごとの専売制をやめ、兄弟車的なラインナップを大きく整理していますが、売れセンのSUVに関しては拡充を進めています。
ヤリスクロスの上下を見ると上にはC-HR、下にはライズがしっかりと配されており、価格に注目するとFFのガソリンモデルでライズ(Z)が202万円、ヤリスクロス(Z)が221万円、C-HR(ST)が241万円と可笑しいほどセグメント重視の等間隔に並んでいます。ここへ仮にヤリスクロスだけ装備を加除して価格設定が乱れると、上もしくは下のトヨタ同士で喰い合いが起きてしまいますよね。
それを防止する意味でも、オプション設定を増やして見かけの車両本体価格ヒエラルキーを堅持するのは、カローラから始まり「いつかはクラウン」で締める的ないかにもトヨタらしい商法です。ココは織り込んで”思うツボ”にのるしかないかも。
細かいご指摘アレこれ
大きくは括れない所にも様々な口コミが集まっていました。主観的な部分、あるいはクルマの個体差などもあり感じ方は人それぞれですが、いくつか興味深い内容もありますのでご紹介しておきます。
引用:https://response.jp/
「レーントレーシングアシストはRAV4でもあまり性能は高くないと感じていたが、ヤリスクロスではさらにレベルが低くなったと思う。特に白線認識率に顕著で、白線がかすれ気味の道路だとカーブでけっこうレーンを見失っている」
「ヤリスと違い電動パーキングブレーキになったのはよいが、ドアを開けると即電動パーキングが入ってしまう。バックで駐車する際、縁石確認などでドアを開けて直に後方を見る習慣があるため難儀している。ディーラーのサービスに相談したが今のところ解除不可」
「ダサいし要らない耳たぶミラーは、小さすぎて死角のカバーに役立たず。それよりAピラーの根本がけっこう大きく、左前方の死角が気になる」
「Zグレードでは標準で付いてくるシートヒーターは、すぐに温まり重宝するが温度調整ができない。2、3段階の調整機構がほしい。また間欠ワイパーも時間調整式でないところが不満」
「概ね気に入っているが、唯一残念な所はマフラー。せっかくハリアー風なリアビューで格好良いのにマフラーを見ると実にチープでガッカリ。純正アクセサリーではマフラーカッターもなく、仕方なく社外品を付けているが後付け感もあり不満は残る」
引用:https://maaz-blog.net/
質・量ともにトヨタ1強時代は続くのか?
中には重箱の隅を突くようなものもありましたが、もちろんここでは意図して不満点を抽出しチェックをしてきたわけで、ではそれをもってヤリスクロスがクルマとしての魅力度が低いのかといえば、決してそうではないでしょう。
他車と比べて特徴的だったのは、エクステリアの不満点が少なかったこと。わずかに「ウルトラマン顔がどうも…」という声もあるにはありましたが全体的には高評価で、標準のヤリスに寄せていないところも結果良かったようです。
それより何より冒頭にも述べたとおり、とにかくヤリスクロスは売れまくっており、2021年の1月時点ではホームページによると納期はおよそ6か月待ち(ハイブリッド車で)!
発売から半年を過ぎようかというところですが、人気は衰える気配はありません。
引用:https://www.gqjapan.jp/
近々新型SUVのカローラクロスも登場するはずですが、トヨタの物量戦略に中々太刀打ちできるメーカーはないでしょうね。
2月にフルモデルチェンジされるホンダヴェゼルが一矢報いることができるかどうか?注目です。
以上、ヤリスクロスの不満点をいくつか検証してみました。
この記事を見てくれた人には新車購入時に絶対損をしてほしくないので、どうやって騙されずに値引き交渉すればよいのか、次の記事でチェックしてみてください。
ヤリスクロスを安く買うには下取り車を高く売ることがカギ
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