クルドラ

ラリーマシンの血統!三菱ランサーエボリューションⅠ~Ⅲ=Look back over the LancerEVO=

そこまでのクルマ好きでなくとも、車名ではなく通称名だけで通じるモデルはいくつかありますが、本稿の主役である三菱ランサーエボリューション、通称「ランエボ」も間違いなくその内の一台にカウントされるでしょう。

もともと母体となるランサー70年代に誕生した小型2/4ドアセダンでしたが、競合他社との差別化のためラリーを中心とした競技参加を積極的に展開走行性能に優れた小型車であるイメージを定着させました。特に2代目に設定されたターボモデルは、5速MTのみの設定や足回り等走行機能がすべて強化されていて、「ランエボ」の前身らしく「ランタボ」と呼ばれ人気を博しました。

その後ランサーは、同門のギャランミラージュとの棲み分けや統廃合などのあおりを受け、存在感を失う時期もありましたが、91年登場4代目からはまっとうな小型4ドアセダンへ回帰。併せてラリーフィールドでの勝利を目指し、ランサーシリーズで初めてエボリューションモデル設定されました。

今回のクルドラでは、名車ヒストリーとして”ランサーエボリューションブランドの礎となったランエボⅠ~Ⅲまでにフォーカスし、91年の初代から2016年の10代目まで実に24年間も続くランエボヒストリーの序章をご紹介していきます。

引用:https://gt-garage.221616.com/

ランエボ10代のヒストリー

三菱世界ラリー選手権(WRC)グループA参戦するために選択したクルマが4代目ランサー参戦のためのホモロゲーション取得条件は、市販車バージョンを連続する12カ月の間に2500台以上売ることですが、さらにグループAレギュレーションではラリー用への改造範囲限定されるため、おのずと市販車そのものに高いポテンシャル要求されるようになります。

そこで誕生したのがランサーエボリューション・シリーズなのです。

ランエボⅠ: WRCだけを見据えた純ホモロゲモデル

三菱ギャランVR-4ラリーを戦っていましたが、さらなる戦闘力アップを図るためには、ベースマシンをより小型軽量化することは必然。そこで91年モデルチェンジしたランサーに白羽の矢を立て、93年からのWRCグループA参戦を念頭に置き、参加規程を満たすためのホモロゲーションモデルとしてラリーランサーエボリューション(以後ランエボ)を開発、92年追加設定する形で発売しました。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

前述の通りグループAカー12カ月間2500台以上生産された車両をベースに、規定の範囲内で許された改造を施したモデル。その範囲が狭いこともありベースとなるクルマ絶対的なパフォーマンスが求められるのです。

すべてはWRCのためだけに

ランエボ成り立ちはシンプルで、ギャランより一回り小さなランサーギャランVR-4の強力なメカニズム移殖するもの。さらにWRCレギュレーション上参加車両市販モデル同仕様との規定、つまりエアロパーツ等変更は許されなかったため実戦に即した大型のリアウィング専用のエアアウトレットが備わるアルミボンネット冷却効率向上のための大きな開口部を持つフロントバンパーなどで武装されました。

引用:https://twitter.com/Wolffracing_inc/

その姿は大人しいベースの小型セダンとはかけ離れた、正にそのままWRCグループA車両の出で立ちであり、事情に明るい者はそれがコケ脅しの”なんちゃってラリーカー風なのではなく、「本物」であることがツボにハマりました。

エンジンノーマルモデルトップグレードが搭載する1.8ℓDOHCターボ(4G93型)を45PSも上回る専用チューンされた4G63型2.0ℓDOHCターボサスペンション型式はチューニングこそ違え、ノーマルモデル共通のフロント側マクファーソンストラット、リア側マルチリンクですが、リア側のマルチリンク式サスペンションはそもそもグループAレギュレーションを睨んで開発されたもの。

普段使い可能な真正ラリーカー

派手な外観とは対照的に、インテリアはあまり通常グレードと大差ありません。目を引くのはMOMO製本革3本スポークステアリングレカロシートくらいですが、ディーラーオプション電圧・油温・ブーストを示す3連補助メーターがあるのが”気分”です。実際はオーディオ下の空きスペースを使うため視認性は悪そうで、少々後付け感は否めません。

前後とも足回りスプリングダンパーなどがランエボ用にかなり引き締められていますが、段差などでの突き上げ時以外には乗り心地に問題もなく、トランクリヤシート使い勝手なども元のセダンの素性の良さが生きています。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

そのため、に”走り屋”を潜ましている当時のおとーさん方の「隠れみの車」としての需要もあったとかなかったとか。

予想を上回るオーダーが殺到!

ホモロゲーション用ながら、そこは市販のカタログモデルランエボにもグレードがあり、オートエアコンオーディオレカロシートアルミホイールを装備した上級グレードの”GSR”と、快適装備シートアルミ等は交換されてしまうことを前提として廃したストイックシンプルグレードRS”が用意されました。

引用:https://bestcarweb.jp/

ランエボホモロゲ取得のためだけに開発されたので、当初の生産台数規程をクリアする2500台限定されました。ところが発売3日2500台即完売、急遽追加でさらに2500台の生産が決まるほどの人気となりました。

最終ロット7000台を超えるほどでしたが、三菱関係者もまさかその後20年以上続く看板モデル成長するとは、この時はまだ考えていなかったかも知れません。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

EVOⅠの戦績は?

ランエボ誕生した背景はWRCホモロゲート認証獲得するため。イコールすべては三菱WRCで「勝つ」ために存在するモデルです。それだけにデビューイヤーとなった93年には大きな注目が集まります。

前年まで戦っていたギャランVR-4高いポテンシャルを築いてきたものの、ベースとなる車体が大きく重たいために限界が見えていました。そこへWRCマシンとしては異例なコンパクトサイズモデルが登場し、その中身にはVR-4のコンポーネンツが詰め込まれているのですから、三菱だけでなく多くのラリーファン期待も高まります。

引用:https://carview.yahoo.co.jp/

しかし93年の結果はイギリスのRACラリーでの2位止まりで、セッティングに手間取ったシーズンとなりました。またこの時期の三菱WRCスポット参戦だったため、全13戦中6レースへの出走に留まっています。

ランエボⅡ: 勝つために初めてのエボリューション

ランエボⅠ高いポテンシャルを垣間見せながらも、いくつかの課題問題点も浮き彫りになりました。三菱はそれらを克服するべく、ランエボを次のステージへと文字通り進化」させます。ランサーエボリューションⅡ登場です。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

エクステリアの変更点はわずか

まずエクステリアについては小変更に留まった印象。目に付くのはタイヤ195/55から205/60へとサイズアップホイールサイズ15インチで変化ないものの、アルミOZ製白い星型スポークのものが装着されます。

あとはリアスポイラーボディの間に”ウイッカー”と呼ばれるゲタが咬まされた他、フロントバンパー下部に黒樹脂のエアエクステンションが付き、空力性能の向上を果たしています。

引用:http://mihara-jidousha.com/

これはランエボⅠエアロパーツが、派手な造形のわりに空力効果ダウンフォース不十分との指摘に対応したものです。

メカニズム系は大幅にアップデート

外観に対して中身は大きく改良が施され、まずエンジンに関しては燃料噴射装置などに三菱独自最先端テクノロジーを投入し、吸排気バルブ改良と併せ従来型4G63から最高出力10PSアップ260PSを達成。低速でのトルクを太くし、ターボチャージャー材質ピストン形状マフラーにも手が加えられました。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

ランエボⅠで最も課題とされていたのは、”曲がらないクルマ”と揶揄されたアンダーステアの強いハンドリングでしたが、その改良のため足回りは大掛かりに変更され、スプリング・ダンパー・ブッシュ類最適化スタビライザー取付位置ホイールアライメントの修正。ブレーキパッドヨーロッパ仕様に置き換えるなど、項目多岐に渡りポテンシャルを引き上げました。

他にもリア側リミテッドスリップデフを変更し、コーナー進入時回頭性を高めるとともに、加速性能向上させるため1速2速ローギヤード化したクロスレシオトランスミッションを採用。”曲がるクルマ造り”を実現しました。


インテリアレカロシートのデザインがヘッドレスト一体型に変わり、スポーティな印象が向上。ステアリングランエボⅠと変化ないものの、クイックレシオ化パワステポンプの容量拡大など目に見えない部分にもが加わっています。

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進化という魅力を手に入れたランエボ

そんなランエボⅡ同様に限定モデルでしたがGSR2,898,000円という、現実的な価格設定ということもあって、当時のクルマ好き走り屋のハートを見事に射止め、またしてもホモロゲ認定台数以上販売実績を上げ、三菱ドル箱モデルの仲間入りを果たしました。

引用:https://aucfree.com/

またこの頃からランエボ用アフターパーツマーケットが形成され、専門ショップも次々と現れるなど、進化していくことが期待されるランエボブランドは大きなムーブとなっていきます。

EVOⅡの戦績は?

WRC94年シーズン第5戦アクロポリスからランエボⅡ投入されましたが、このモデルから三菱渾身の新技術電磁クラッチ式アクティブデフ搭載されます。元来構造上曲がりにくい四駆システム改善するため、デフ油圧から電磁クラッチに換え積極的に制御しようと試みました。

以下2枚引用:https://www.sun-a.com/magazine/

このアクティブデフフロントセンターへ盛り込んだことにより、ランエボⅡ戦闘力は飛躍的に向上。しかしながら94年三菱ラリー活動の主流をアジア・パシフィクラリー選手権(APRC)に定めていて、WRCは相変わらずのスポット参戦であったため、確固たる実績を残すには至らず。

ランサーエボリューションWRC初戴冠は、全戦参加が義務付けられた95年シーズンランエボⅡ2シーズン目に入った第2戦スウェーデンラリーでした。ここでランエボⅡは見事初優勝、しかもワン・ツーフィニッシュでそれを成し遂げます。

ほぼ同時期に三菱へ加入した稀代のラリーストトミ・マキネン”のドライビングもあってランエボの、三菱黄金時代がいよいよスタートしたのです。

ランエボⅢ:チャンプマシンとなる第一世代EVO完成形

車両型式から分かる通りランエボⅢランエボⅡ基本構造から変更はなく、ポイントになるのは空力性能の更なる向上エンジンパワーアップ。特に空力に関しては、からへの変化がわずかだったのに比べると、ランエボⅢは一目でアグレッシブになったと映るエアロパーツが光ります。

引用:https://lrnc.cc/_ct/17047876

WRCグループA競争が激しくなるにつれ、高速バトル不可避となり、エアマネジメント勝敗を大きく左右するようになっていました。

空力パーツをアグレッシブに刷新!

そこでランエボⅢではバンパースポイラー関連を大きくモデファイ。フロントバンパーインタークーラー冷却用開口部を拡大し、まで黒樹脂だったバンパー下部エクステンションボディ色仕上げの上、ブレーキ冷却エアダクトトランスファーへと風を送るスリットが配されました。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

ランエボアイコンである大型のリアスポイラーもさらに大型化。水平部分は翼断面形状になり、エッジの効いたウイッカーと組み合わせて強力なダウンフォースを生み出し、後輪の接地性操縦安定性に寄与します。

車名エンボス加工されたボディ同色大型サイドエアダムランエボⅢの特徴です。

4G63型エンジンは2ℓ最強クラスへ

パワーユニットピストンを変更し、圧縮比をアップ。中高速時のレスポンス向上に加え、タービンハイフロー化して効率の良い過給も実現しました。排気系も径を太くするなど改良され、4G63型ランエボⅡ比で10PSアップ270PSに達しました。

引用:https://www.automesseweb.jp/

インテリアではイタリアMOMO社製ステアリングは、従来の「コブラⅡ」から「スピード3」に変更され、見た目のレーシー度はアップ(GSRのみ)。織物柄が変更されましたが、ヘッドレスト一体型レカロシートも健在です。

フルオートエアコンキーレスシステム、必要ならサンルーフも選択できる上級グレードGSR競技車ベースRSというグレード構成ランエボⅠから不変です。

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

第一世代ランエボの最終型は人気モデルに

ベースとなる4代目ランサーフルモデルチェンジタイミングを迎えるため、ランエボ第一世代としてはこのエボⅢ最終型となります。

メカニズム的な変更はランエボⅡほど多くはなかったものの、ランエボⅢカラードパーツも増え、派手なエクステリアをまとったこと(特にボディカラー新色のイエローは鮮烈)、また後述しますがラリーでの戦績も合わせ、10代続くランエボ・シリーズの中でも特に人気の高い1台となりました。

引用:https://www.webcartop.jp/

EVOⅢの戦績は?

95年シーズン第2戦スウェーデンワン・ツーを飾った三菱は、この年の第4戦フランス・コルスからランエボⅡに替えてランエボⅢ投入します。

シーズンを通じてはリタイヤが目立ちましたが、デビュー戦3位第6戦オーストラリアでは優勝と試行錯誤の中でも結果を残し、マシンのキモとなる電子制御アクティブデフ洗練度は高まっていきました。

以下2枚引用:https://www.sun-a.com/magazine/

そして翌96年シーズンに入ると熟成したアクティブデフレスポンスが、アグレッシブアクセルワーク得意とするトミ・マキネン選手ドライビングに見事にフィット。全9戦中優勝5回を数え、マキネン選手は見事にドライバーズチャンピオン獲得三菱は念願のWRC頂点に立ったのです。

ランエボⅢはその後97年シーズン第3戦まで走り、第4戦からはランエボⅣにバトンを渡します。ランエボⅣは母体となる市販車ランサーフルモデルチェンジを受けていたことから、Ⅰ~Ⅲまでとは全くの別物になりランエボ第二世代へと入っていきます。

世代が変わってもトミ・マキネン選手三菱の蜜月は続き、97年にはランエボⅣ98年にはランエボⅤ99年にはランエボⅥをドライブして前人未到であったWRCドライバーズチャンピオン4連覇を成し遂げ、98年シーズン三菱で唯一となるマニュファクチャラーズタイトル獲得するに至りました。

引用:https://mitsubishiwrcars.blogspot.com/

栄光を刻んだランエボブランドも一旦幕

ランサーエボリューションはその出自から、かなり特殊なモデルと位置付けられていましたが、ラリーでの戦績ホモロゲらしい分かりやすい高性能アピール市民権(クルマ好きの)を獲得し、日本代表するスポーツカーへと成長しました。

実際、ホモロゲーションを取得してラリー出走していたのは2001年中盤のランエボⅥまでで、それ以降三菱グループA規格から移行した、より改造の自由度が高いWRカー規格での参戦へと舵を切ります。従って以降、ランエボホモロゲ対象という役割はなくなっていました。

引用:https://www.webcg.net/

ホモロゲ対象でないならランエボじゃない、という議論も一部にはあったようですが、もはや「ランエボ」は1ブランドとして確立されていて、三菱高性能モデル代名詞としての役割を担うようになります。

ランエボ第四世代とされる「ランエボⅩ」まで改良・販売は続き、この10作目をもって2016年生産終了しています。

2021年のラリージャパンに期待

ここ数年の三菱自動車には厳しい風が吹いている状況で、2005年WRC撤退に続きランエボ生産中止経営の立て直し真っ只中で、ましてやコロナ禍にある2020年の現在、どちらも復活の話は聞かれません。ラリーファンだけでなく、フツーのクルマ好きにも一抹の寂しさはあります。

引用:https://www.automesseweb.jp/

追い打ちをかけるように10年振り復活予定であったWRC日本ラウンド、「ラリージャパン(11月開催)」が中止となってしまいました。今年は新型コロナ影響により、海外との往来が難しいためやむを得ないところはありますが、ぜひ来年こそは開催してもらいたいですね。

現在のラリーシーン日本勢ならトヨタヤリス注目が集まりますが、いつの日かランエボ11回目エボリューションにも期待です!

引用:https://web.motormagazine.co.jp/

以上、クルドラ的名車ヒストリー三菱ランサーエボリューション(Ⅰ~Ⅲ系)」でした。

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