後悔しないために確認しておきたいトヨタハイエースの不満点6つ
最終更新日 2021/10/12
日本を代表するお仕事車といえば、トヨタハイエースであることに異論のある方は少ないでしょう。日本の高度成長期只中に誕生したハイエースは、シリーズ累計販売台数は50年で600万台を超え、日本のみならず世界中で“指名買い”されるクルマです。
お仕事車と括りましたが、事業用のみならず自家用としてのニーズも高く、1BOXならではの広大な荷室をライフスタイルに合わせてアレンジするユーザーさんも多いと聞きます。
ここではネット上に散らばる所有者さんの口コミから、主に不満点として挙がっているものをピックアップ。これからハイエース購入を検討している方の参考となるよう、検証してご紹介していきます!
目次(タップで飛べます)
50年の歴史をサッと振り返る
1967年、初代ハイエースはエンジンの上に運転席がある日本初のキャブオーバー車として誕生。
以下3枚引用:SAN-EI SHOBO MAGAZINE
発売当初はトラック型でしたが、すぐに1BOX型が追加され、既に当時から多くのモデルバリエーションを展開していました。ハイエースは、貨物自動車にトラックではない“バン”という商品カテゴリーを作り上げたのです。
二代目、三代目と着実に「ハイエース市場」が形成されていく中、バブル景気真っ最中に発売となった四代目(100系)は、その豪華な装備や快適性によりハイエースブームとも呼べるほどに人気を博しました。現在でもカスタムベースとして、この四代目を指名する人も多いとか。
2004年に現行モデルとなる五代目(200系)が登場します。四代目にあった豪華装備や乗用車テイストは、アルファードやノア、ヴォクシーといったミニバンが受け皿へと変わったため、ハイエースは原点回帰ともいえるシンプルなトランスポーター的内容でモデルチェンジされました。
それでも相変わらずバリエーションは豊富なままで、標準やワイドのボディとミドルやハイのルーフ、ナンバーは4、1、3と3種類があるなど車型は複雑です。
グレードを含めると以下のような選択肢となります。
小さすぎて見えづらい方は、下記のトヨタHPでもチェックしてくださいね。
https://toyota.jp/pages/contents/hiacevan/005_b_017/pdf/spec/hiacevan_equipment_compare_201711.pdf
ハイエースの不満点チェック
歴史があり、クルマ自体が走行10万、20万kmでも使い倒せるタフなモデルのため、ロングライフで使用されているユーザーさんも多いと思われます。そのためここでは、現行モデル200系の口コミに絞って集めてみました。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/
バンにしちゃ高くないですか?
口コミでまず目立ったのが、「なぜこんなに値段が高いのか」といった価格に対する不満でした。
ハイエースの販売比率は2018年の実績で見ると、商用バンが全体の8割を超えています。普通車のワゴンは2割以下で、小さ目のバスといえるコミューターは1割にも満たない実績です。必然、口コミもバンに対するものが多いわけですが、その中で”価格”が不満として挙がるのは、「バンにしては」「商用車(4ナンバー)なのに」ということが前提となるからのようです。
トヨタHPのセルフ見積で確認すると、ハイエースバンの一番人気が標準ボディのディーゼル4WDでグレードはスーパーGL、車両本体価格は税込3,867,480円でした(ちなみに同ガソリン2WD車なら2,974,320円)。トヨタの中で同じような価格帯で見ると、ミニバンのアルファードがセルフ見積一番人気のX8人乗りで税込3,376,080円、あるいはヴォクシーの一番高いモデルHYBRID ZS 煌 II 7人乗りは税込3,380,400円でした。
単純に価格だけ比較すると、確かにハイエースは安くはないですね。もちろん仕事ユースオンリーな方は、ルートバン仕様のガソリン車で220~230万円代だってありますが、それでも「ミニバンじゃなくてハイエースが必要なんでしょ」というユーザーさん達の足元を見ている価格設定な気も。1 and Onlyの強みですかねぇ。
只ここで忘れてならないのは、ハイエースのリセールバリューの高さです。商用ユースである出自から、とにかく頑丈で堅牢なクルマなため、相当に使い倒した後でも中古車として輸出の引き合いがあり、下取り価格が維持されるのです。モデルライフの後半は海外で第二の人生がスタート、まるで定年間近のサラリーマンの夢想を実現しているようなクルマなのですね(笑)
引用:http://asajiryo.blogspot.com/
どちらかと言えば質素な佇まいのクルマなため、買うときは高く感じるでしょうが、手放すときには嬉しい驚きがあるかも知れませんよ。
4WD車”標準”の尻下がりルック
これは筆者のように普段ハイエースを使っていない者からすると、「何なに?どーゆーこと?」と目を惹くワードでした。口コミによればハイエースの4WD車は、2WD車に比べると車体後方がやや下がり気味で、これは個体差ではなく全てそういう状態なのだとか。
フェンダーとタイヤの隙間をフロント、リヤ共に測ってみるとよく分かるそうで、「3cm近くは実寸で違う」という口コミもありました。特に意識をしなければ、それほどハッキリと分かるレベルではない気もしますが、ユーザーさんからすれば気になって仕方がないものなのでしょう。中には「メーカーも知っているはずなのに対処しない」といったクレームめいた意見もありました。
引用:https://www.cockpit.co.jp/
実際、尻下がりの写真やその改善方法などは、ネット上にいくらでも挙がっています。調べた限りでは、トヨタからオフィシャルにその点を触れているような文面は見つけることができませんでしたが、話しを総合すると“尻下がり”というより“フロント上がり”の状態らしいです。原因は4WDのフロント部はデフがある関係で、2WDよりフロントが上がっているとのこと。
引用:https://kon-diet.blog.so-net.ne.jp/
そのため解決方法にも多かったのが、フロントの車高を下げるといった方法です。具体例もいくつかのハイエースブログにアップされていますので、新たにユーザーとなられて、気にる方は調整に挑戦してみて下さい。
先進安全装備に抜かりアリ!?
2017年の11月に行われた一部改良でついにハイエースにもToyota Safety Sense Pが標準装備されました。
現在は「Toyota Safety Sense」へと名称が改められていますが、この先進安全装備は、ライバルである日産キャラバンに先行されていただけに、ようやくハイエースも追いついた!とトヨタ贔屓の皆さんは考えたと思います。ところがそのToyota Safety Senseが少し物足りない内容となっている点に不満が挙がっています。
具体的には、ACC(レーダークルーズコントロールシステム)の機能が非搭載となっている点です。
高速道路などで前車との車間を自動で調整し、追従運転ができるこの機能は、人によっては、Toyota Safety Senseのキモだと感じているのでは?
非搭載とされた理由は定かではありませんが、現行200系ハイエースも登場から既に15年が経過しているロングライフモデルなため、技術的に最新の機能をそのまま載せられなかったのでしょうか。まさかお仕事車には不要、などという判断はなかったと思いますが。
引用:https://minkara.carview.co.jp/
仕事クルマだからこそ、疲れた高速での帰り道・・・ACCで少しでも楽に運転して帰りたいワーカーさんは多いはずです。
次期六代目の登場もそこまで先ではないでしょうから、期待して待ちましょう。
燃費がツライは言わない約束?
キャブオーバー型の1BOX商用バン(あるいはワゴン)として、ハイエースを選択するわけですから、ユーザーさん達の口コミにも“非ユーザー目線”であればありそうな「運転席が狭い、乗り降りし辛い」「エンジン音がうるさい(車内に響く)」「大きい箱型なので、取り回しが大変」といったものは、あまり見かけません。
どなたもソコは織り込み済みといったことなのでしょう。ところが「燃費が悪い」「思ったほど燃費が伸びない」「燃料代が悩み」といった“燃費”に対しての意見は目立ちました。特にガソリン車ユーザーさんの声が多かったです。
車重のあるクルマですから、皆さんある程度燃費についても覚悟しているはずですが、実際はそのナナメ上をいく“悪さ”だったということでしょうか。
現実問題としてハイエースには、今ドキのクルマなら無い方を探す方が難しいアイドリングストップ機能も用意されていません。お仕事車として、バッテリーや電装系パーツに負荷が掛かるのを避けるためなのか?はたまたこれ以上の価格アップを避けるためなのか?定かではありません。
しかし今やクルマを語るときに「環境」というキーワードは外せないご時世です。ましてや水素自動車まで手掛ける大トヨタさんなら、こういったお仕事車にまで燃費やCO2削減といった思想をしっかりと織り込んだクルマを率先し開発して頂きたいものです。”経費削減“に悩む町の社長さん達も大いに期待していると思いますよ。
少数派ですがワゴン乗りの不満も聞いて!
前述のとおり現行ハイエースの圧倒的販売ボリュームは、商用バンタイプで、乗用ワゴンタイプは“ほんのわずか”のレベルです。
ワゴンにはワゴンの美点があり、例え乗用モデルとしてミニバンがいくつもあろうが、ハイエースでなければならないというユーザーさんは一定数います。
特にアウトドアなどで趣味のギアを満載して出掛けたい方や、キャンプで車中泊がしたい方などはミニバンやSUVのカーゴスペースでは物足りないでしょう。
引用:http://campingcarfan.net/
そういった1BOXワゴン一択のユーザーさんの不満点には、以下のようなものがありました。
選択肢が少な過ぎ!
上記したバリエーション表を見ても分かるとおり、ワゴンには車型の選択肢が本当に少ないですね。標準ボディ&標準ルーフがない。ディーゼルエンジンもない。10人乗りしかない、といった具合。
口コミでも多かったのはやはりエンジンに対する不満で、車重2.5トンを超えるところに荷物や人が加わるのを考えると、トルクフルなディーゼルエンジンは、多少高価になってもラインナップに加えて欲しいという意見でした。
価格のわりに質感チープ!
商用バンであれば、多少のチープさは織り込み済みでも、こと乗用のワゴンとなると質感等のチープさを指摘する声も。特に前モデルである四代目ハイエースが、1BOX界のクラウンと称されるくらい特にワゴンモデルは、上質感をアピールしていただけにその落差が気になるようです。
もちろん当時と違い現在では、高級ミニバンがしっかりと市場を確立しているものの、ここでもやはり「ハイエースでないと」という層はあるわけで・・・
現行モデルは、せっかくフロント席がオートエアコンに進化したんだから、リヤ席がクーラーとヒーター別々のレバー式とか残念といった声もありました。
ハイエースは永遠のオンリーワン
今回、ハイエースの検証にあたり改めて街中を見回してみると、何とハイエースの多いことよ!と実感します。
ハイエースのユーザーさん達は、あれもいいけどコレもいい、といった検討を経て購入した方よりも、ハイエースじゃなきゃしょうがない、といった一本釣りで決める方がほとんどのようですね。日産キャラバンというライバル車はありますが、販売実績からハイエースを脅かす存在とまでは言えません。
引用:SAN-EI SHOBO MAGAZINE
ここではいくつか不満点を検証してみましたが、積載性・リセールバリュー・頑丈さ・アフターパーツの豊富さ・ディーゼルの経済性など美点はそれらを遥かに上回っています。
現行五代目200系ハイエースも既に15年が過ぎていますから、そろそろ次期型が登場してもおかしくありません。2019年には海外向けとして新型ハイエースが発売されています。
エクステリアでは、衝突安全性の確保のためでしょうか、現在のキャブオーバー型からセミボンネット型になっています。
日本でそのまま登場するかどうか、まだ決まってはいませんが、次期モデルでは燃費などここで挙がった不満点も改善されていることに期待しましょう!
以上、トヨタハイエースの不満点をいくつか検証してみました。
この記事を見てくれた人には新車購入時に絶対損をしてほしくないので、どうやって騙されずに値引き交渉すればよいのか、次の記事でチェックしてみてください。
ハイエースを安く買うには下取り車を高く売ることがカギ
新車を買うときに、下取り車があるならさらにオトクに購入可能です。
下取り車をそのままディーラーに出してしまうと、相場よりも安く買いたたかれてしまいます…。
査定額の相場を知らなかったばかりに20~30万も損をした人がたくさんいます!
愛車の査定相場を知っておくためには「ナビクル車査定」が最適です。
最大10社の査定が無料で受けられて、しかも入力はたったの45秒で完了。
それでも・・・