【自分でもできる?】車の法定定期点検とは【車検とは違う】
目次
法定定期点検とは
車の法定定期点検とは、道路運送車両法第47条の「使用者の点検及び整備の義務」を根拠に定められている検査で、道路運送車両法第48条で一般の自動車は1年ごとと定められています。
なお、トラックやバスなどに関しては、さらに厳しくなっていて3か月や6か月ごとに点検が必要な車もあります。
自動車点検基準によって、普通乗用車の場合には1年ごとの点検では26項目、2年ごとの点検項目は56項目という点検項目も定められています。
このため、車の使用者はこの点検をする義務があります。このように法律によって定められていることから法定定期点検と呼ばれています。
法定12か月点検のチェック内容
- ブレーキペダルの遊びと隙間
- パーキングブレーキ
- ブレーキの利き具合
- クラッチペダルの遊びと床板の隙間
- エンジンオイルの漏れ
- トランスミッション・トランスファ
- ファンベルト
- パワーステアリングベルト
- ブレーキマスタシリンダ
- 点火プラグ/li>
- バッテリーターミナル
- 排気の状態
- エアクリーナーエレメント
- 冷却水
- ブレーキホース・パイプ
- ホイールシリンダ・ディスクキャリア
- エキゾーストパイプ・マフラー
- 遮熱板
- ブレーキドラムとライニング
- ブレーキシューとライニングの摩耗
- ブレーキディスクとパッド
- タイヤの状態
- ホイールナット・ボルト
- プロペラシャフト・ドライブシャフト
法定定期点検は「点検整備記録簿」に記録しないといけない
法定定期点検をしたときには「点検整備記録簿」に記録しなければならないと、これも道路運送車両法第49条「点検整備記録簿」で定められています。
普通の自家用車の場合、この記録簿を2年間保存しなければならないと決められています。
整備工場やディーラーなどで点検をした場合には、そこで記録してもらうことができますが、自分で点検を行った場合には自分で記録をしなければなりません。また、この記録簿をその車に備え置かなければならないともされています。
このように、点検だけでなくそれを証拠として記録しておくことが大切です。
状態に応じて日常点検整備もしなければならない
この1年ごとに行う法定定期点検の他にも、もっと日常的に行わなければならないとされている点検もあり、これが道路運送車両法第47条の2「日常点検整備」で定められている日常点検整備と呼ばれるものです。
エンジンルームをのぞいて行う点検、車のまわりを回って行う点検、運転席に座って行う点検など自動車点検基準により15項目が定められています。
日常の点検は車に乗る人が行うもっとも基本的な点検と言うことができ、これは自分で行わなければなりません。
当然、法定定期点検よりももっと頻繁に行う必要があり、走行距離や使用頻度によって乗る人が計画的にしなければなりません。
法定定期点検にかかる費用は?
法定定期点検にかかる費用は自分で行うことができればかかりません。しかし、項目数も多く、専門的な知識も必要なことからあまり素人にはおすすめできません。不具合があるかどうかの見極めも難しい部分もあります。
そのためできればディーラーや整備工場などに依頼するのが安心です。1年の点検では、特に部品の交換がなければ1万円前後でできるようです。ただし、消耗品の交換が必要となることもあり、その場合には数万円程度です。
また、2年ごとの項目は、車検の時に同時に行われる場合が多いようです。料金は車検費用に含まれています。
法定1年定期点検は必ず受けなければならない?
法定定期点検をしないことによる罰則はありません。また、どこかで検査をした記録簿を確認されることも通常ではありません。
しかし、法律で決まっている以上は義務となりますし、安全に車に乗るためには必要な検査です。もしこれを怠っていて、何か車の不具合が出て、事故などの問題が起きた場合には、当然その車の使用者に責任が問われることになります。
そこで法定定期点検をしていなかったことがわかって、点検によって防ぐことができた可能性が指摘されるかもしれません。自分のためではないことを意識して検査をするべきでしょう。
「車検」と「定期点検」の違いとは
車検の目的は、法定定期点検とも一部は重なりますが、基準に該当した車を公道で走らせてもよいかという許可を与えることが目的です。そのため、車の安全性とは直接関係ない環境への問題や、違法改造などをチェックする目的もあります。
一方、法定定期点検で確認する項目でも、車検では見られない場合があります。車を「安全に」乗るために最低限必要とされているのが法定定期点検です。ただし、実際には車検をディーラーや整備工場で行う場合には同時に行われるために一緒にものと思われることが多いようです。
普段から自分でできるチェックはしておこう
いかがでしたでしょうか?
自分や大切な家族を乗せるクルマだからこそ、こまめにチェックしておきたいものですね。
例えばタイヤの空気や溝、オイルなどは自分でもすぐ確認できますので、こまめにチェックしておきましょう。